ご縁をいただく店舗さんによく伺いします。お店の現場で、従業員さんと立ち話をよくします。その際、来店されたお客さまが目の前を通る。「ありがとうございます」「いらっしゃいませ」ご挨拶をする。
その時ふと思うことがあるんです。
いま販売の現場に戻ったら、どんな接客をするんだろう?どんな風にして商品を販売するんだろう?当時、店舗で働いていた時には気づかなかったこと。できなかった事。
今なら、こんなことするんじゃないか?そんなアイデアが出てきます。
お客が恐れること
Mr.ジョー・ジラード。勉強熱心な方なら、ご存知ではないでしょうか。自動車販売の世界一のセールスマンとして、ギネスブックにものった著名なアメリカ人です。そのジラードさんが、こんなことをおっしゃっています。
お客は、彼のお金を使わせようとする貴方の能力をつねに恐れているのだ。お客は自分の欲しいものの前に立っても、そうした恐怖心をもっているということを考えてくれたまえ。貴方がひとたびお客の前に立てば、お客の恐怖心を『消えるようにしむける』ことができなければならぬ。『消えさせる』のではなく『消えるようにしむける』のだ。
私は『貴方のように車をたくさん販売している方は、さぞかし強引に売りつけるんでしょうな』と言われたことがあるが、私は人に買わせようとしたことは一度もない。私の場合は買うようにしむけるのだ。
『セールスに不可能はない-売れる秘密の20章』ジョー・ジラード著 経済界刊
この文章を読んだとき、
「お客さんって、そんなことを恐れているだ。だったらその恐怖心を取り除くにはどんなことをしたらいいんだろう?自分が接客していたら、どんなことするだろう?」
ふと考えました。っで、こんな考えが頭に浮かびました。
商売の世界でよく言われる言葉
もし、自分がもう一度、販売の現場に立つならば…どんな事を意識してお客さまと接するか?例えば、お客さまと『お友だち』になる。こんなことを意識して、接客しそうな気がしたのです。
「お客さまの気持ちになれ」
「お客さまの役に立とう」
そんな言葉を小売・販売の世界ではよく耳にします。まー、営業などの世界でも言われている気もしますが。とにかく、相手に喜んでもらう。相手の役に立つ。これが、商売のなかで必要不可欠だ、ということですよね。
…ただ、実際のところ、お客さまの立場に立つ。これがなかなか難しい。何となく言っていることはわかるけど、いざ現場で何をすればいいのか、わからない。
そこで思ったのが、今回の「お客さまとお友だちになる」という意識です。
お客さまと喜びを分かち合う
お客さまとお友だちになる、と言っても、プライベートで遊びに行ったり、お酒を飲みに行くといった話じゃないですよ。気持ちの上で、お友だちになる。そんなイメージです。
たとえば、来店されたお客さまと接客をする。その際に、相手に興味を持つ。相手を好きになる。相手と仲良くなりたいと思う。そんな気持ちをもつことで、
- 相手が欲していること
- 相手が興味を持っていること
- 相手が解決したい悩み
といった部分を知ろうとしたり、アンテナが立つ。結果的に、相手が何を望んでいるのか、敏感に感じられるんじゃないかと思ったのです。
目立つ販売員さんの特徴
「この方、販売お上手なんだろうな」お話をしていて感じる方がいらっしゃいます。そのような方々には、いくつかの共通点のようなものを感じます。そして、お話を聞いていて、多くの方から出てくる言葉。
それが、「お客さまに質問をされる」という話です。
お客さまの興味や探しているものを知るために、いろんな角度から質問をする。そして、相手の望んでいるモノをなんとなく把握したうえで、商品の提案をされる。
モノ(商品)を売るのではなく、相手の気持ちに応える。「感情を消費するためにお金をつかう」じゃないですが、相手の気持ちに敏感になれば、その分、相手のお役に立てる。喜んでもらえる。っと同時に、相手と喜びを共有しやすくなる。
販売がお得意な方の特徴として、感じる特徴の一つです。
まとめ
意欲を持って、仕事をされている方は、相手のお役に立ちたい。喜んでいただきたい。そんな気持ちを強くお持ちだと思います。では、どうやって相手(お客さま)のお役に立つか?
今回取り上げた方法は、お客さまとお友だちになる。その意識をもって、接客をする。コミュニケーションをとることです。
相手と旅行な関係を築こうとすれば、必然的に相手の気持ちに敏感になります。相手の望むこと、興味のあること、悩むこと。それらを見つけようと、コミュニケーションをとる。妙なトーク術を意識して接客するよりも、相手に対する本当の意味での気持ちを感じるコミュニケーションが実現するのではないでしょうか。
お客さまの期待に応えるためにも、お友だちになる。そんな意識で接客してみると、また何か違った結果が生まれるかもしれませんね。