もう、10年以上も前の話。
僕が産直店で働いていた時のこと。
当時、何をやっても続かない堪え性のなかった僕は、
何か仕事でイヤなことがあるたびに、、
「あぁ、この仕事おもしろくないな。
俺がやりたいことは、もっと他にあるんちゃうか?」
自分の人生について、考えていることが多かったです。。
…そんなある時のこと。
「何がキッカケだったか?」
は忘れたのですが、自分の中でのモヤモヤが膨らみ、
「このまままじゃ、アカンわ」
となって、ある方に自分の人生について相談したことがあるんです。
■憧れの人
ある方っていうのは、当時産直店にお野菜を販売しに来てくださっていた生産者Aさんです。
京都の丹後に在住。
販売のある土曜日になると毎週、車で3時間以上かけてお店まで来られていました。
お野菜はもちろんのこと、そのお人柄からファンの多い方だったんですね。
そのAさんの来られる土曜日には、お客さまの行列がお店の前にできていました。
…そんなファンの1人だった僕は、販売終了後、青木さんに話を聞いてもらったんです。
「仕事に全力を傾けれない、、、
どうしたらいいんでしょう?」って。
話を最後まで聞いてくださったAさんは、
僕に、ある1つのエピソードを話してくれました。
■めっちゃ腹立って、、、
こないだ、こんな事があったんやけど。
仕事の手伝いをしてもらってる、近所のおばあちゃんに、にんにくの整理を頼んでん。
収穫したにんにくの茎をハサミで切ってもらう、
その作業やってんけどね、
そのおばあちゃんが、やってしもうてね。。
茎のところから、ぶっつりハサミでで切ってしもうて、、、、
そのにんにくが商品にならなくなってしもうて、、
何十万も損してしもうたわ。
もう、その時めっちゃ腹立って、
「何やっとんねん!」
って、おばあちゃんに怒鳴ったろうか、って思ってんけど。
ふと考えたら、、
めっちゃ腹立つけど、
今ここで、おばあちゃんに怒って。
そのおばちゃんが、もう手伝いに来てくれんようになったら、、、
そっちの方が、もっと怖いわ。。
そう思ってね。
っで、そう思ったら、なんか、ものすごい大したことのないような許せる気になってね、、、
…っと、こんな話をしてくださったんです。
その話を聞いた当時、僕は、たぶん目をパチクリさせながら聞いていたと思うんです。
そのお話の真意を理解していなかったと思います。
だけどね、それから10年以上経って。
最近になって、何となくだけど、少しかもしれないけど。
その話の意図を理解できるようになったんです。
■怖いのは、こっち
娘の話で恐縮なんですが。
たとえばね、彼女と一緒に何かの勉強をしてるとき、
途中で彼女が飽きてきたり、うまくデキなくて、集中できなくなってくるんですよ。
座っているのもしんどくなって。
そこでね、
「最後まで、やってしまわな」
「ちゃんと、やらな」
って、強く言いそうになるんですが、ふと、先ほどの生産者Aさんのお話を思い出して。
ここで無理して、勉強が嫌いになる、
そっちの方が怖いんちゃうん?
そんな事を思うようになったんです。
興味さえ持ってくれていたら、 どこかでまた、
「勉強をしたい、学びたい」
ってなるかもしれないけど。
勉強のそれ自体を嫌いになってしまったら、、、
■仕事も同じじゃないか?
あと、これって、お店での従業員さんとの関係にも当てはまるんじゃないか、と。
…給料を払っているのだから、
しっかり最後まで責任を持ってやってもらう。
子どもと話を一緒にするのは、おかしい。
っていう考えもあるけれど。
そもそも、従業員さんが、
- 仕事自体へのモチベーションを失くしてしまう、、、
- 仕事への情熱を失ってしまったら、、、
一体どっちがお店へマイナスなんだろう?
そう思うわけです。
…まぁ、甘いことを言っています。
ただ、いつも言っているように、想いやモチベーションがあれば、後からスキルは身につけられます。スキルUPもできます。
…しかし逆に、いくらスキルがあっても、想いがなくなれば、そこで終わり。
あとに続かないのではないでしょうか?
答えを急いで求めるがあまり、 ここの順序が逆になってしまう、、、
そんなケースって、意外とないでしょうかね?