今から約7年前。
僕が起業当初にご縁を頂いていた、ある会員さんのお話です。
その会員さんは、地方で小売店を営まれていました。
初めてそのお店を訪れたとき、店の入り口には1枚ののぼりがヒラリ、ヒラリ。
風になびいているのが目に留まりました。
あなたも、きっと一度は聞いたことがあるであろう、
全国展開している、ある有名メーカーの商品のぼりでした。
「どうして、この商品がこのお店で売られているの?」
率直な疑問でした。
というのも、そのお店は地域密着型スタイルで
『地元素材の商品を販売する』
というコンセプトを掲げられていたからです。
なのに、全国どこででも手に入るこの商品が??
地元商品が並ぶ中で異質な存在感を放つ商品…。
オーナーに、率直に質問してみると、その謎は解けました。
1人の疑問は、大勢の疑問
僕は、POPを学んでいる方々には常々、
とお伝えしています。
『お客様目線になって、商品を見る』
当たり前だけど、お店側の視点が身に付くと意外とできないポイントです。
「どうして、この商品がこのお店で売られているの?
何だかチグハグな感じがするな」
初めてお店に訪れた僕がこの疑問を抱いた、
ということは、おそらくその他大勢のお客さまも、同じことを感じているに違いありません。
しかし、お客さまは僕のように店主に向かって、質問をするようなことはしません。
地域密着店のはずなのに、スーパーに売っているような商品が売っていたわ
お店にとっては、マイナスの印象を持ったまま出て行くでしょう。
そして、おそらく2度とお店には戻って来ないでしょう。
…話を戻しますが、
このお店が、問題の商品を販売されているのには、勿論のことながら、しっかりとした理由がありました。
お店の立地が、歴史上の有名な人物の生家の近くにあった。
その人物が問題の商品メーカーの創業に大きく関わっていた。
そのため、その地域だけでなく隣県も含め、その商品を直接仕入れることを許されているのは、そのお店だけだった。
実は、会員さんのお店は、
『選ばれしお店』
で他店とは全く違った理由で、その商品を販売されていたのです。
しかしお店では、その事について一切紹介しているような形跡はありませんでした。
結果、その選ばれた商品は異質なものとして、
お店のイメージを低下させる要因にもなりかねない状況でした。
いやぁ、実に勿体ない!
ここ、POPの出番です!
他店にはないプラスの販売理由があるのだから、
手書きPOPを作って、しっかりと伝えていく。
さもないと、折角のUSP(強み)が、マイナス要素になりかねません。
手書きPOPを使って、きちっと伝える。
そうする事で、1つ間違えばお荷物商品が、一気にお店の価値向上の担い手になるんですから。
販売理由が明確に伝わると、
商品を『買う理由』となり、
それは、高確率でお客さまの心を動かします。
どうして、そのお店で売られているのか?
そこにフォーカスし、価値を見いだすと
「じゃあ、買って帰ろう」
という購入理由を生み出します。
1枚の手書きPOPは、商品の価値だけでなく、お店の価値を大きく左右するパワーを備えています。
今一度、お客さま目線になって、お店を眺めてみてください。
あなたのお店には、
「お客さまが疑問に思うような疑問は、ありませんか?」
もしあるのなら、どのようにしてその疑問に答えていきますか?