農業(直売所)の話ですが、他業種にも共通する内容です。
農業界の「NHK」って、聞かれたことありますか?
僕が以前、産直店で働いていた時。
農産物の卸会社の社長さんからお聞きした話です。
…「農業界のNHK」。
ヒントは、農業の盛んな都道府県の頭文字。
さて一体、どことどこの県だと思いますか?
農業界の「NHK」って?
まず、Nが長野県。
つづいてHが、北海道。
そして、最後のKが、、、僕の住む高知県だそうです。
(この3県、たしかに言われてみると農業が盛んなイメージ)
そんな農業の盛んな高知県で仕事をしていると、いろんな経験をさせてもらえます。
その1つが、直売所のサポートです。
僕自身、大阪の産直店で農産物を売らせてもらっていたという経験もあって、直売所に関係するお仕事のお話をいただきます(県から依頼をいただき、事業のアドバイザーをさせてもらっています)。
っで、いつも直売所へお伺いして感じることの1つに、
直売所こそ、小売店の縮図
これね、僕が産直店に働いていた頃から感じていたことなんだけど、
「直売所の状況って、それがそのまま小売店の現況を表している」
そんな風にいつも感じるんです。
…どういうことか?
例えば、高知県には、183店舗の直売所があります(2014年現在なので若干の変動があるかも)。
その直売所、お店によって色々な規模があるわけです。
それこそ、僕が働いていた産直店のような売場面積30坪のお店から、小型スーパー並みの大きな建物を誇るお店まで。
そして多くの場合、お店で売られる農産物の量はその規模に比例します。
規模が大きくなればなるほど、バラエティにとんでいる。
野菜だけじゃなくて、お弁当といった惣菜類やデザートも豊富。
量も多い(午後から買いに行っても売り切れがない)。
いってみれば、商品力があるわけです。
そして、ここに僕たち小規模店にとっての大きなヒントが1つあって。
- 大規模なお店が有利!
- 商品力が弱い小規模店は、不利
- 大きなお店じゃないと、太刀打ちできない
というわけでもない。
小型店舗でも立ち向かえる土壌はあるんです。
それが、どの直売所でも基本、売られているものに差はないということ。
飛び抜けるお店になるにはどうすれば?
野菜には旬があって。
基本、できる(収穫される)時期というのは、ある程度決まっています。
夏には、なす、きゅうり、おくら、、ピーマン、、、。
冬には、葉物類、、、。
という風に、露地(ビニルハウスじゃない)でつくられる野菜には、売られるシーズンが決まってる。
そしてそれはイコール、お店で売られる時期も決まる。
夏にはどこのお店にいっても、なす、キュウリ、おくら、、、といった野菜が並んでいるということです。
…じゃあ、これがお店にとって、お客さまにとって、どんな意味を持つか?
それは、どこの直売所にいっても(野菜においては)売られているモノはそんなに大差ない。
A店に行っても、B店に行っても、、売られている野菜はそんなに変わらない。
大型店であっても、小型店であってもほぼ同じ、ということを意味しています。
(その地域特有の野菜の多い少ない、はありますが)
販売商品で差をつけるのは難しい
よっぽど変わった(他店にはない)商品を売ることが出来るのなら、、、それに越したことはないけれど。
小型店でそれをおこなうのは、至難です。
既述のとおり、他店と同じような品揃えになってしまいます。
さらに、
- 品揃え:大型店>小型(野菜に関しては差はない。トータルでは大型店が有利)
- 価格:大型>小型(競争力があるので、大型店有利)
- 環境:大型>小型(アクセスの良さなど、大型店有利)
このような状況を踏まえると。
商品だけで、価値や魅力を出していく。
ここには、高いハードルが立ちはだかるのではないでしょうか?
…ならば、視点を変えて、商品プラスαの部分でお客さまを惹きつける。
そのための何か仕掛けをつくる。
そんな視点も必要になってくるんじゃないでしょうか?
【商品】+【アルファ】
このプラスαの部分が、お店の個性。
お客さまから選ばれる理由になってくるのでは?