一度に多数の人にアプローチできる。
これって、販促物のメリットの1つです。
お客さま一人ひとりに商品の話をしていたら、ものすごい労力。
だけど、販促物をつかえば、一気にたくさんの人に話ができる。
コミュニケーションがとれる。
そんな販促物の良いところがあります。
…もう今から15年くらい前になるでしょうか。
当時働いていた産直店で実感しました。
というわけで今日は、販促物をつかうと一気に多数の人(お客さま)にアプローチできる。
そんな販促物のメリットの話をします。
ただ、販促物といっても、PR(販促)する相手はお客さまじゃありません。
取引先。商品を送ってくれていた生産者さんです。
特に、仕入がタイヘンだった
本題に入る前に少しだけ、前段の話をします。
僕は大阪の小さな小売店で働いてました。
正社員2名のほんと小さなお店です。
そこは産直店で、生産者さんから直接野菜をもらう。
その野菜を販売させてもらう。
それがウリのお店だったんですね。
生産者さんから送ってもらっていた野菜には、2つの取引の仕方があって。
- 「買い取り仕入」
- 「委託仕入」
の野菜です。
買い取りっていうのは、従来の仕入れですよね。
お店がその商品を買いとって仕入れる。
もう一方の委託仕入は、商品を買い取るんじゃなくて売れた分だけ仕入を起こす。
その分だけ、生産者さんに支払いをするやり方です。
ある意味、お店にリスクはない仕入れ。
道の駅やお土産店さんなんかは、この委託販売が多いんじゃないでしょうか。
(前職、僕が営業していた時なんか、そうでした。)
っで実は、いま話した後者の委託仕入。
これが、僕にとっては大変だったんです。
…って、何が大変か?
売れたモノだけ支払をする。
お店にリスクのない販売の仕方なのに、何がなのか?
それは、仕入数量をコントロールできなかったことなんです。
委託販売の商品っていうのは基本、生産者さん主導。
生産者さんが、
「今日は、何を送るのか?」を決める。
量も、価格も、種類もね。
だから、お店に送られてくる野菜の数もこっちじゃ、コントロールできない。
生産者さん任せだったんです。
「いやいや、そんなに売れない」って、、、
例えば、
「今日はキュウリがいっぱい採れたから全部送っちゃえ」
みたいなことだってあるわけで。
逆に、全然採れなかったら、仕入れも少なくなって。
お店の売場に並ぶ野菜も減ってしまいます。
そう、お店側で、仕入れ数をコントロールできないっていう課題があったんです。
…夏とかになるとスゴイですよ、
もう、お店中、キュウリだらけ、、、ナスだらけ、、、オクラだらけみたいなことになるんです。
生産者さんが一斉に送ってくださるから。
放っておいても、キュウリやナスは畑でなるから、とりあえずお店へ送っちゃえ!!
みたいな感じでね。
(たぶん、、、直接生産者さんに聞いてないから想像になるけど)
っで、売り切れないくらいの数のキュウリがお店にくる。
ナスがくる。
ズラーーーって、陳列棚に並びます。
もう、お店は「キュウリ祭り!」「なす祭り!」状態です(笑)
だって1日の来店客数より多い、
「誰がこれを買うの?」
っていう数がお店に並びます。
(一体、誰がこんなに買うの!?っていうくらいの数が)
…委託販売なんで、野菜が傷んでロスになっても、イチオウお店には被害はないんだけれど。
気分的にいいもんじゃなくて、、、。
だって、ほぼ毎日新しい野菜が送られてくる。
鮮度重視のお店。
必然的に、古い野菜は処分しなくてはイケなくなる。
せっかく送ってもらったお野菜を、ゴミ袋に入れるときのあの気持ち。
ほんとキツカッタです。
「なんとかして、売れる方法はないだろうか?」
「野菜がムダにならない方法はないだろうか?」
当時の素人同然だった僕なりに、いっぱい試行錯誤しました。
っで、その時思いついた方法が1つあったんです。
「そうだ、直接伝えよう!」
って、生産者さんにお手紙を書いたんです。
生産者さんへのラブレター
それが、こんなレター。
FAXして、これを野菜の集荷場に貼ってもらうようにしたんです。
(集荷場っていうのは、絶対に生産者さんが集まる場所なのでね)
内容的には、
- 今のお店の状況
- 売れているモノは何か?
- 売れにくいモノは何か?
- 野菜を傷みにくくするパック詰め方法
- 売れやすいパック詰めの方法
- 妥当な価格設定 など
を書いて、毎月、送るようにしました。
すると、これが中々うまくいったんです。
生産者さんに喜んでもらいました。
結果、なにが起きたか?
お店に電話がなるようになったんです。
「・・・今、何が売れてるの?」
「・・・●●(野菜名)を出そうと思っているんだけど、価格はいくくらいがいい?」
って、生産者さんから聞かれるようになった。
以前だったら、こっちからひとり一人に電話をかけてたんです。
なのに、この手紙を貼ってもらうようになってから、生産者さんから聞いてくれるようになった。
これには、僕も驚きました。
「1枚の紙」で、「複数の人」に効果を出せる
結果、こちらが欲しい野菜を送ってもらえるようになりました。
野菜の袋詰め1つにしても、工夫してもらえるようになりました。
「売れる野菜」が増えました。
レターを送ることで、コミュニケーションが活性化されました。
当時これを書き出すときには、想像もしてなかった広がりでした。
今回お伝えした話は、お客さまへの販促の話じゃありません。
取引先である生産者さんへのアプローチです。
なんだけど、「伝える」効果をもろに実感した話。
そして、ここから僕が思ったのは、
「1枚のレターがこんなに効果あるんだ」って。
要は、1枚書くだけで、多くの方に伝わるっていうことです。
お客さまに伝えたいことがあれば、何か紙に書いてみる。
お店の売場に1枚貼ってみる。
お店に来られたお客さまは、全員とは言わないけど見てくれる。
「1枚の紙」で、「複数の人」に効果を出せる。
大きいな、と。
お客さま一人ひとりに商品の話をしていたら、ものすごい労力。
だけど、販促物をつかえば、一気にたくさんの人に話ができる。
コミュニケーションがとれる。
これって、販促物の大きな大きなメリットの1つです。