POP研修 を効果的な取り組みにつなげるために、どのような点に注意して実施すればいいか?研修やセミナーを通じて、3千名以上の方々とご縁をいただいてきた経験から特に大切だと実感している「3つのポイント」を共有いたします。
あらためまして、POPコミュニケーション合同会社、代表の臼井浩二(うすいこうじ)です。
以前、ある研修会社のご担当者さんからこんな言葉を聞きました。
「10人中2名くらいですよ」
セミナーや講座受講者のうち実践するのは、約2割。残りの8割は、残念ながら学びだけで終わる…。この話を聞いて、ショッキングだった一方、決して他人事ではない話でした。
ご存知のとおり「インプット⇒アウトプット」のハードルは高いです。ノウハウや情報を学び、行動を起こせる方は、ひと握り。これは研修においても同様です。
社内や店舗POP研修を実施。その後の効果的な取り組みにつなげる企業や店舗さんは、申し訳ないですが、非常に少ないです。そこには残念な結果を招いてしまう、歴然たる理由が存在するからです。
POP研修を実施する際に、どのような点に注意すれば効果的な取り組みになり、成果につながりやすいのか?3つのポイントに集約いたしました。御社、あなたの気づきになれば幸いです。
POP研修 を効果的に成果へつなげる、3つのポイント
1.ゴール(目的)を明確にする
お店にPOPを導入する。従業員さんにPOPを取り組んでもらう。御社(あなた)の目的は何でしょうか?
代表的な1つが、今よりも商品やサービスを販売する。そして、お店の売上を上げることではないでしょうか?
店舗の実績を上げる。今以上にお客さまに商品やサービスをご購入いただく。POPで実現するのであれば、当然ながら『売る』ためのPOPを学ぶ必要がありますよね?「…何を当然のこと言ってるんですか?」言いたくなるかもしれませんが、実はココ、非常に大切な肝の部分です。
お店の売上を上げる。商品をご購入いただくには、その目的を達成するためのPOPを学び、従業員さんに実践していただく必要があります。しかし、多くのお店ではここがズレている。結論から言ってしまうと、「商品を売ることに向いていない」POPを学び、実践されています。
多くのお店が知らない、2種類のPOP
POPには、2種類存在します。(スミマセン、脱線しますが、非常に大切な話ですので、ぜひお聴きください)。
2種類のPOPとは、簡潔に言うと、「売れるPOP」と「売れにくいPOP」です。書かれている内容やメッセージが善い悪いという以前に、そもそも何枚書いても売れにくいPOPが存在するのです。
少し乱暴な話になりますが、例えば、
- かわいいイラストと商品名だけが書かれたPOP
- 商品利用者の体験談やご感想が書かれたPOP
どちらが購入につながりやすいと思いますか?
話を分かりやすくするために極端な例を出しましたが、POPには2種類存在します。シンプルに言うと、
- ディスプレイや装飾(雰囲気づくり)を得意とするPOP
- 売ることが得意なPOP
当社では、「魅せるPOP」と「売るPOP]と呼んでいます。※詳しくは下記をご覧ください。
POPを実践する目的が売上アップであるならば、「売るため」のPOPのノウハウを従業員さんに学んでいただ必要があります。当然のように聞こえますが、実は意外と売上に直結しにくいPOPを学び、実践されるお店さんは多いです。
2.POP研修 にマネジメント層や責任者も参加する
もし、御社でPOP研修を実施されるならば、どのような従業員さんに参加を呼びかけますか?
おそらく店舗など現場の方々を中心に参加を呼びかけられるのではないでしょうか。なぜなら、POPを実際に書くのは、現場の方々だから、ですよね。
一方、当社ではPOP研修を開催するにあたり、「経営者やマネジメント層、店長など現場責任者の参加」をできる限りお願いしています。その理由は、ブレをなくすためです。
研修後、参加された方が店舗へ戻って、POPを書かれるとします。すると、こんな声が聞こえてきます。
「いやー、そんなPOPじゃ誰も見いひんで…」「もっと文章を短く書かなあかんで…」
しかも発言者の大半は、POP研修に参加されていない方々。。これは実際にご縁をいただくお店や会社さんでよく耳にする(起こる)話です。そして、POPの取り組みが前に進まない典型的な事例です。
せっかく研修で、POPを学ばれた従業員さんが頑張ってPOPを書く。にもかかわらず、ノウハウを一切学んでいない方が、周囲から横やり(あえて、この言い方をします)を入れる。POPで成果をつかむのであれば、言うまでもなく正しいやり方の実践が不可欠です。そのために研修で学ぶのです。学んでいない方の話は、厳しい言い方をすると邪魔になるだけです。
ノウハウや方向性の統一。価値観を共有する意味でも、現場従業員さんだけでなく、POPを書かないかもしれない、管理職の方々の参加を強くお勧めします。
3.フィードバックの機会をつくる
研修を実施すれば、前に進む。取り組みが始まる。…と考えるのは、早計。大きな誤解です。
ご存知のように、「インプット⇒アウトプット」には、強烈なほど深い溝が存在します。はじめの一歩を踏み出してから、二歩目・三歩目を踏み出すまでには、大きな壁が立ちふさがります。
打ち上げ花火。やりっ放しでは前に進まない。「研修後も従業員さんの背中を押し続ける仕組みが必要ですよ」という話です。
例えば、当社がご縁をいただく企業さんでよくおこなうのは、研修後にフィードバックの機会を設けることです。研修後、2週間以内に店舗の現場へ赴き、従業員さんとやり取りをします。「すごいですねー」「いい感じでPOPを書かれてますね」「ここにPOPを貼った方が効果的じゃないですか」など、従業員さんと言葉を交わします。
狙いは、従業員さんの行動を認める機会をつくる。そして、モチベーションに火を点けることです。
書籍を読んだ瞬間やセミナー受講後は、モチベーションMAXではないでしょうか。「よーし、明日からやってやろう」ガンガン燃えている。しかし、1、3日、、1週間、、、と日が経過するにつれ、モチベーションが停滞。早ければ2週間もすると研修を受けた事すら忘れ、日々の業務に精一杯になっている。そんなご経験ないでしょうか?
植物やお花を育てるのと同じです。新しい取り組みを始めるならば、継続的な水やりや栄養が必要です。現場での取り組みでいえば、定期的に現場の従業員さんと言葉を交わし、その頑張りを認める。評価する。それらの機会を設けることで、POP研修が打ち上げ花火のように単発な取り組みで終わることはなく、継続的な実践。そして成果につながりやすくなります。
POP研修 を成果に直結させる、その他のお勧めの取り組み
当社では、その他にも研修を通じてご縁をいただく顧問先において、様々な取り組みをおこなっています。
例えば、従業員さんのモチベーションアップや継続的な取り組みにつなげるために、定期的なラウンド(店舗訪問)。社内誌の発行や社内ウェブサイトを構築し、現場とマネジメント層とでの情報や価値観を共有。現場の頑張りを経営層にも伝えるための取り組みをおこなっています。
現場の取り組みや頑張りを認める。評価する仕組みは、継続的な取り組みに直結してくることを、現場から強く実感しています。
まとめ
店舗や会社でPOP研修の取り組みを考えられている方へ向けて、効率的に成果へつなげる3つのポイントを共有いたしました。
今回の話はPOP研修に限らず、様々な取り組みを始めるうえで大切なポイントだと感じています。特に、現場のモチベーションなくして、継続はありません。
あなた(御社)のお役に立てれば、幸いです。