「商品を売るのが怖い」
「営業が苦手」
よくいただくご相談の1つです。
以前、ご縁をいただいたある企業さんで
こんなことがありました。
業種は伏せさせていただきますが、
お父さんが社長さんで
息子さんが後を継がれる予定の
ある卸会社さんです。
業績改善のためにご縁をいただきました。
社長であるお父さま的には
息子さんに徐々にシフトしていきたい。
「業務を任せていきたい」
そんなお気持ちを持たれているようでした。
なので、営業の大半は
息子さんに任されていました。
しかし、ここで問題が起こります。
実は、その息子さん、
営業が大の苦手。
話をうかがうと、
「得意先さんへ行って
商品の話ができない」
「怖くてお客さまに商品をおすすめできない」
そうおっしゃるのです。
営業なのに商品を勧めれない。
一見すると、一体どうなってんだ?
という感じなのですが、
実はこういう状況はよくあります。
というか、過去の自分がそうでした。
前職は、法人営業をさせてもらっていました。
都心部のデパートや通販会社さんの
バイヤーさんに営業をしていました。
っが、営業はカラっきり苦手でした。
理由は、明白。
先程の息子さんと同じです。
相手さんに断れるのが怖かったから。
だから、得意先へ行っても
商品をお勧めできない息子さんのお気持ちは
痛いほど実感できました。
そこでアプローチを変えました。
まず、こんな質問をさせてもらいました。
「(取り扱う)商品のなかで
好きなものはありますか?」
「個人的な意見で結構です、
一番のおすすめ商品は何ですか?」
お聞きしたんです。
しかし、息子さんから帰ってきた
言葉は非常に残念なものでした。
しかし、ある程度予想はできた内容でした。
「好きな商品はありません」
極論を言えば
ご自身の会社で扱っている商品で
お気に入りのものはない。
言い換えると、
「自信を持ってお勧めできる商品はない」
そう言っているのと同じでした。
商品を取り扱う人間が
商品に対して特別な感情を持っていない。
お勧めしたいとも思っていない。
これでは売れるわけはありません。
昨日、物販で月に180万円売り上げる
歯科医院さんをご紹介しました。
こちらの記事です
その方からメールをいただきました。
そのご返信内容を読ませていただき
自分が恥ずかしくなりました。
私はつい商売っ気を出して
歯科医院さんが販促物を活用して
毎月売り上げられる成果、
金額を前面に押し出した記事内容を書きました。
しかし、歯科医院さんが販促物を
活用されるようになった理由は
もっと深遠なところにありました。
私が説明するよりも
いただいたメッセージをご紹介した方が
ずっと伝わると思いました。
なので、前後を省略してご紹介いたします。
物販は、愛がテーマ
(前略)
当院が物販の目的として掲げてきたのは
実は購入金額ではなく購入率です。
歯科医院を訪れるほとんどの人が
オーラルケア用品をドラックストアで買うのです。
歯科の怠慢ですよね。
自分たちの勉強不足から
商品についての熱い説明ができない。
よって患者は歯科医院で購入する意味がないのです。
うちはそれを新人教育と結び付け
自分の言った言葉や書いたポップや文字に
責任を持つようにさせてきました。
歯科医院で扱う物販なんて
高くてもせいぜい1万円の電動歯ブラシ程度。
しかし、その1万円は家電量販店なら買えるのに
歯科医院では出せないんです。
価値がない。
なんか、違うな・・・と思いました。
スタッフが説明をし
1万円の商品に説明と実践という
付加価値をつけていったのです。
売りたければ、その商品を愛すること。
私たちの物販は「愛」がテーマです。
笑ってしまうかもしれませんが
愛着のない商品になんのフレーズも
のらないように思うからです。
(後略)
こちらのメッセージを読ませていただき
自分が恥ずかしくなりました。
自分の軽さを恥じてしまいました。
こちらの方がおっしゃっている
お気持ちは痛いほど理解します。
“うちはそれを新人教育と結び付け
自分の言った言葉や書いたポップや文字に
責任を持つようにさせてきました“
このお気持ちにもまさに同感です。
POPやチラシというと、
「インパクトのある言葉で
お客さまの目を留めなきゃ」
そう思われる方が多いです。
たしかにそうなのですが
根本が少しずれています。
いくらテクニックで
強烈な単語やキーワードを並べても
そこに気持ちが入ってなきゃ意味がありません。
響く、伝わるメッセージを生み出す
最大の秘訣は、
『書き手の存在感を伝える』こと。
ここに尽きます。
要は、
「誰がその商品を勧めているのか?」
「どんな人が商品を勧めているのか?」
メッセージを通じてその商品を
お勧めする人の存在感を伝えなければいけません。
私の誤解でなければ
歯科医さんがおっしゃられているのも
ここなんじゃないか?
解釈させていただきました。
テクニックを学ぶことも大切です。
しかし、もっと大切なことがあります。
あなたの思いを、
あなたの言葉で伝える。
これがお客さまにとって
もっとも響くメッセージになるのです。
今回、歯科医さんのご縁を通して
大切なことを思い出せていただきました。
慣れるにしたがい忘れていた
本質に立ち返りたいと思います。