メルマガご購読者の方からご質問をいただきました。
お菓子の製造販売をされている方からです。
どら焼きのポップを書きたいが全10種類あります。
その中でも売りたい物が3~5種類あった場合、何枚までポップを絞れば良いのでしょう?
POPを使ってお勧めする商品が複数あった場合、数を絞った方が良いのか?それとも全てお勧めしても問題はないのか?
一体どちらが良いのでしょう?
個人的な意見を言えば、数はしぼった方が良いと考えています。
選択肢がいくつもあるとお客さまは商品選びを迷います。結果、選びきれずに『選ばない』という行動を選択する事が実験結果から証明されています。
実際、販促物をつくるときの鉄則の1つにも、
『出口は1つに絞れ』
というルールがあります。
出口とは、お客さまの行動です。
お客さまにとってもらいたい行動を、いくつも提案するよりも1つに絞る。
絞ったが反響はアップする、
というものです。
ただ、この話をストレートに鵜呑みにしてしまうと弊害も起こります。
例えば今回のご相談者さんの場合、販売されているどら焼きが全10種類ある。そのうちの3~5種類をお勧めしたいと思われています。
だけど上記の理論をそのまま受け取ると、
「出口は1つにした方が良い」
という事なので、1種類のどら焼きしかお勧めできなくなります。
これだと折角10種類ある、どら焼きの魅力を100%伝えきれていない。
そんな気がしませんか?
そこでお勧めしたいのが、
これからお伝えする方法です。
私自身が産直店で働いていた時に実際にこの方法をとり、うまくいきました。
売上を伸ばす事ができたのです。
その時の話をシェアすると。
私が働いていた産直店では冬の時期、何種類ものみかんを販売していました。
そしてお客さまから、
「どのみかんが美味しいの?」
「どれがお勧めですか?」
とよく尋ねられていたんです。
美味しいみかんしか仕入れていないつもりだったので、返答に困っていました。
一緒に働いていたパートさんも、
「臼井さん、どれをお勧めすれば良いですか?」
迷っていました。
そこで私がとった方法は、みかんの『個性』を際立たせる事でした。
数多く販売していた、みかんの中で特に私がお勧めしたいのは3種類。その3種類のみかんなら、
どれもお勧めしたい
と思っていた。
そこで、3つとも全てお勧めできるように、お勧めするみかんを顧客の好みでタイプ分けしたのです。
具体的には、
- 甘党派
- バランス派
- 安心安全派
この3タイプにみかんを分けました。
そして、それぞれのみかんを、顧客の好みごとにお勧めしたのです。
1の甘党派のお客さまには、文字通り、甘いみかんを食べたい方向けです。
2のバランス派は、甘みと酸味のバランスが好みのお客さまにお勧め。
3の安心安全派の方には、有機JAS認定のみかんをお勧めしました。
- 甘いみかんが欲しい方
- バランス重視のみかんが欲しい方
- 安心安全なみかんが欲しい方
3人のタイプのお客さまに
お勧めするみかんを分けました。
結果、大正解でした。
みかんはバカバカ売れました。
ケース単位でジャンジャン売れました。
この販売法も、要は冒頭の「出口を1つに絞った」事例です。
○○な人には、これがお勧めです。
△△が好きな人には、これがお勧めです。
お客さまごとにお勧めする商品を1つ決め、その1つの商品を販売した事です。
これをやると、お勧めしたい商品が複数合った場合でも、出口を1つに絞る事が可能です。今回のご相談者さんの場合、お勧めしたいどら焼きが3~5種類あるのなら
「どれも美味しいですよ。お勧めですよ」
としない方が良いと思います。
- どら焼きの特徴を挙げる
- 「どんなお客さまが好みそうか?」
それぞれ好みそうなお客さまを想定する - 3~5種類のどら焼きごとにお勧めしたい、お客さま像を伝える
「○○な人には、このどら焼きがお勧めですよ」
ピンポイントで勧めてあげる事で、お客さまは迷わないで済みます。
さらに商品それぞれに個性を出せるので、お客さまも『選ぶ楽しみ』生まれると思います。
お客さまに迷わせない。
出口を1つに絞る。
商品を個性化する。
複数のお勧めしたいときは、この3つを意識してみて下さい。
結果的に、面白いお勧めができる、魅力あるお店になるのではないでしょうか。