「この商品は美味しいんです」
っていうメッセージを聞きたいわけじゃない。
そんなPOPを見たいわけじゃない。
お客さんは、もっと他のメッセージを期待しているんです。
「美味しい」とかいうメッセージじゃなくて、、、。
20代後半から30代にかけて、産直店で働いていました。
大阪のお店でした。
ちょっと特徴のあるお店でした。
メイン商品である野菜は、生産者から直接仕入れていたんです。
通常、スーパーで売られている野菜って、卸売市場を経由して販売されている。
そんなケースが一般的なんですね。
でも、僕がいたお店は、生産者から直接送ってもらっていた。
っで、野菜のほぼ90%以上が、高知の生産者のモノだった。
高知で野菜を作られている生産者。
その方々から送ってもらっていたんです。
毎日のやりとりは、基本、電話。
電話で、
「どんな野菜出来てますか?」
「じゃあ、それ送ってもらえますか?」
みたいな話をしてた。
っで、時折、高知の生産現場に行ったりしてね。
生産者のお宅に泊まらせてもらったこともありました。
昼間は、畑を見させてもらうでしょ。
(っていうか、見させてもらうというより、一緒に作業させてもらってた)
っで、夜になると、BBQみたいなのしてもらって。
仲間の生産者さんも集まってくださって。
みんなでワイワイさせてもらってました。
こんな風に、生産者さんとの接触をさせてもらってるでしょ。
話もいっぱいしてね。
もちろん、農業以外の話もたくさんね。
・・・するとね、だんだんと感情移入してくるんです。
その生産者さんに対してね、思い入れが湧いてくる。
野菜をこだわって作られている。
それは、多くの生産者さんがそう。
一生懸命、こだわって丹念につくられています。ただね、
そのこだわりの部分プラス、その生産者さんの素の部分
っていうのかな。
「・・・どんな方なのか?」から始まって、、、
「・・・どうして、農業をされるようになったのか?」
「・・・普段、どんな思いを持って野菜を作られてるのか?」
そんなのをいっぱい聞くでしょう。
やっぱり、そこを聞くと、思い入れが湧くんです。
すると、今度はね、その思いをお客さんへ届けたくなった。
届けたくなった、っていうとチョット言い方が違うかな。
知ってもらいたくなったんです。
「このトマト作っている人ってね、こんな方なんですよ、、、」
「普段、奥さんと二人で作られててね、、、」
「元々は、大阪に住まれてたんですけどね、、、」
みたいに、生産者さんのことをお客さんに知って欲しくなったんです。
っで、書きだしました。
POPをね。
野菜を送って来てくれた段ボールの端を切って、そこに書いてました・・・初めのうちは。
僕、思うんですよね。
お客さんって、お店で売られている野菜が美味しいっていうのは、何となく理解している。
お店が売っている以上、そこそこ美味しいものなんだよな。
お店がイイと思ったモノを仕入れて、売ってくれている。
そんな風に理解していると思うんです。(潜在的にかもしれないです)
だから、逆に、
「この野菜は美味しいんです」
っていうメッセージを聞きたいわけじゃないと思う。
そんなPOPを見たいわけじゃない。
お客さんは、もっと他のメッセージを期待している。
そう思うんです。
「美味しい」とかいうメッセージじゃなくてね。
・・・そして、その答えの1つが、
「この野菜を作っている人は、どんな人なのか?」
生産者の話を伝えることになったんです。
っで、結果的に、僕がいた産直店では、それがウケていた。
お客さん喜んでくださっていた。
こんな経験があるんで、僕はお伝えしています。
手書きPOPをやるといい。
商品に関わる”人”の話を伝えると、いいよ、ってね。
そんな話をする理由は、今日お話ししたことなんです。
なんとなく伝わっていると嬉しいです。
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