人が自分の小さな欠点を告白するのは、
大きな欠点がないことを信じさせたいときだ。
17世紀のフランスの文学者、フランソワ・ド・ラ・ロシュフーコーという方の言葉だそうです。
…すごい難しいことを言っているような感じがするんだけど、要約すると。
人が自分の(小さな)欠点を言う。
その時っていうのは、
「自分には、それより他に大きな欠点はないよ」
そう相手に信じてもらいたいとき。
要は、自分にとってダメージにならない(印象を落とさない、価値を落とさない)、
その程度の小さい欠点を見せる。
そのことで、相手からの信頼を得る。それ以上の価値を得る。
そんな事ってあるのじゃないの?
と、この方は言いたかったのではないでしょうか。
っで、実はこれ、われわれ小規模店にとって、大きな含みのある言葉です。
もっとも評価の高かったレストランは、どれ?
今の話に関連した、こんな実験結果があります。
あるレストランの広告を3種類つくりました。
- 「くつろいだ雰囲気」など、お店にとってプラスの情報だけを載せた広告
- 「当店はくつろいだ雰囲気ですが、専用駐車場はありません」というように、プラスの情報だけでなくマイナスの面も伝えた広告
- 「当店は狭いですが、くつろいだ雰囲気です」というように、マイナス情報(狭い)とそれに関連したプラスの面(くつろいだ雰囲気)も伝えた広告
さて、どの広告がレストランの評価がもっとも高かったと思いますか?
(あなたも考えてみてください)
どれだと思います?
もっとも評価の高かったのは、、、、
3番だそうです。
「当店は狭いですが、くつろいだ雰囲気です」と書かれた広告でした。
多少のマイナス面はあってもいい
要は、3番の広告を見たお客さまは、プラスの情報だけでなく、マイナスの情報も受け取った。
しかも、マイナスとプラスの情報をつなげて受け取ることができた。
(お店は狭い。だけど、その分くつろいだ雰囲気)
そんなメッセージになっていた。
ここが評価の高くなった要因とされています。
例えばですよ、われわれ小規模店があつかう商品。
提供するサービスには、もしかしたら100%が100%万能商品じゃないかもしれない。
- 品質
- 量
- 価格
すべてが揃った商品をつくるのは難しいかもしれません。
重箱の隅をつつくように細かく他社製品と比較すれば、それより劣っている部分がみつかるかもしれません。
大手と比較すると、どうしても厳しい部分が出てくるのではないでしょうか?
そんな時に、冒頭の話。
「人が自分の小さな欠点を告白するのは、大きな欠点がないことを信じさせたいときだ」
これを思いだすのです。
多少のマイナス面はあってもいい。
それを隠すのじゃなく、包み隠さず正直にお客さまへ伝えてあげる。
(できれば、その際にはプラスの情報も一緒に伝えてみる)
そうすることで、お客さまとの間に信頼関係を芽生えさせることができるのではないでしょうか?
マイナス面も見せる。そして、勿論プラス面も!
通常なら、商品の良いところばかりをガリガリ伝える。
そんなお店が多いと思うんだけど、そうじゃない。
「もしかすると、大手と比較するとココがうちは弱いかもしれません」
正直に伝えた上で、
「その分●●に限っては、こんなメリットがあるんですよ」
良いことも伝える。
- 【デメリット】⇒【メリット】
これが結果、メッセージそのものに説得力が出る。
そして同時に、何よりも代えがたいお客さまとの信頼を築くことにつながってくるのでは?
…自分にとってダメージにならない(印象を落とさない、価値を落とさない)、
その程度の小さい欠点を見せる。
そのことで、相手からの信頼を得る。それ以上の価値を得る。
われわれ小規模店にとって、大きな含みのある言葉じゃないでしょうか。