人生でたった1度だけ、死を覚悟した、
そんな出来事があります。
…ほんと冗談ぬきで。
僕が24歳のとき。
それは、ニュージーランドの海で起きました。
以前にも話したことがあるんだけど。
24歳のとき1年間ニュージーランドに滞在していたことがあるんですね。
その夏のこと。
僕は友人と、その友人の彼女とキウイ(ニュージーランド人の愛称)のお宅でバカンスを楽しんでいたんです。
仕事が休みの週末を利用して、、だったんだと思うんだけど。
2泊3泊で知人のキウイ宅へ遊びに行っていました。
その滞在中のある日。
近くに海岸がある、っていうので3人で遊びに行ったんです。
キウイ家族は、後から追いかけて来るって言うので、僕たちは先に。
…っで、海岸に着いた僕と友人は、ボディボードを楽しんでました。
キウイ宅の納屋にボードがあったので、お借りして。
僕、初めてでした。
ボディボードなんて、やったことがない。
というか、その名前すら初めて聞いた、、、みたいな。
でもね、やり出すと結構ハマってね。
初めのうちは、全然波に乗れなかったんだけど。
1回でもうまくいくと、そのスイスイ感に虜になっちゃって。
ボードと接するお腹が(摩擦で)真っ赤になるまで。
ヒリヒリになるまでハマってやっていたんです。
…うーん、どれ位やっていたんだろう?
1時間はやっていたかな、、?
ガンガン波に乗れるようになった僕は、もう夢中。
っで、ふと隣を見ると、友達の姿がない。
さっきまで一緒に波に乗っていた彼がいないんです。
「アレっ?」
と思って、周りを見渡してみた。
すると、ドキッとすることが、、、。
ずいぶん海岸から離れた距離にいたんです。
さっきまで遊んでいた場所からいっても、ずいぶん遠くなっている。
どうだったんだろう、、、距離にしたら1kmくらい離れていたのかな。
岸(砂浜)に見える友達らしき姿が、ほんと小っちゃくしか見えなくて。
「これ、ヤバいんじゃない?」
さすがに、ちょっと焦り、、、
「戻らなきゃ」
と思って、泳ぎだしました。
初めは、平泳ぎ。
顔を上げた(水面から出した)ままで、スイスイと。
僕、もともと泳ぎには自信があった方なんです。
高校のときとかも、クラスのなかで早い方だった。
なので、この時は何とも思っていませんでした。
っが、数分後には、この僕の自信はガラガラと崩れ去ります。
波があってなかなか前に進まないのです。
次は、クロール。
「クロールの方がよう進むわ」
今度は顔をつけて泳ぐ。
1~2分かな、、泳いだ後にパッと顔を上げる。
岸を見る。
「どれくらい進んだかな?」
…全然、近づいていない。
岸に見える友だちの姿が、小さいまま。
というか、むしろさっきより更に小さくなった感じ。
「…!!」
もう、この辺りから半分パニックです。
足首につないでいたボディーボードを外す。
ボードなんて、どうでもいいわ。
どっか流れてもええわ。
とにかく、帰らんと。。
必死でクロールする。
顔を上げる。
岸を見る。
…また、遠くなっている。
岸から離れてる。
どんどん沖へ沖へと流されている。
焦れば焦るほど、体力が消耗されていくんです。
もがけば、もがくほど、前へ進まない。
体力だけが減っていく、、、。
「もぅ、オレあかんわ。。」
半泣きで泳ぎながらも、だんだん気持ちが萎えようとしていた。
体力もだんだん尽き果てていた。。
15分近く、格闘していたと思います。
…すると、その時です。
「Are you OK?」
1台のカヌーの姿が。
ライフジャケットを来たレスキューらしきお兄さんがこちらを見ている。
「NOーー!!HELP MEーーー!!」
ありったけの力をふりしぼり、叫びました。。
…ライフセーバ―に助けられる姿を岸で見ていた友人。
対面するなり僕に言った第一声。
今でも忘れません。
「コージ(僕の名前)、死ぬと思ったわ」。
後日、聞いた話ですが。
僕が泳いでいたニュージーランドのその海岸。
気がつかない間に、潮の流れが危険なエリアで遊んでいたのでは、、、?
ということです。
(離岸流とか、カレントっていうらしいですね)
まさに、ボディーボードの名前すら聞いたことのない。
初めてやった素人の僕。
…にしたら、???の話です。
だけど、プロの方。
普段からサーフィンをやっている人からしたら、当たり前。
日常茶飯事なのかもしれないですね。
…実はいまの話は、販促物にも同様に当てはまります。
たとえば、手書きPOP。
- 「手書きPOPに書くときは、●●を1番大きく書く!」
- 「手書きPOPのメッセージは、短くないとダメ!」
- 「インパクトのないPOPは、成果につながらない!」
さまざまな知識や教訓みたいなのが耳に入ってきます。
ただ、それらの情報は誰が言っていることなのか?
…成果を上げている人が言っていることなのか?
…現場経験のある方の話なのか?
注意深く精査してみることが大切です。
すごく当たり前に思っていることが、実は、、、っていうこと。
よくありますからね。
さもないと、何にも知らずニュージーランドの海で流された。
そんな僕みたいになってしまいます。
幸い、今は笑いごとで済ませられる自分が幸せです。
ほんとあの時は、怖かったんだから。。