農産物直売所でセミナーを行ってきました。
自治体と農協さんにお世話になり、その機会となりました。
対象者は、生産者さんです。
お店にお野菜や惣菜類を出荷されている方々です。
その生産者さんの商品が、今より売るには、どうすればいいか?
どんな工夫ができるか?
一緒に学んで頂きました。
今より売るために…
既に直売所をご存知かもしれませんが、念のため少し説明させて頂くと。
直売所というのは、地域でとれた野菜を売るお店です。
スーパーとは違い、地元の生産者が自分で出荷します。
販売価格も自分で設定。
袋詰め、パッケージも自分で決めます。
要は、生産者自身が、販売主となって商品を売る。
そのための場所が、直売所の店舗です。
ですので、販売主である生産者さんは、自分で売る工夫が必要になってきます。
スーパーのように野菜を送って、そこで加工してもらうわけではありません。
荷姿も、POPも、自分で作る。
そして、売上を上げるためのひと手間。
ここが売上を左右します。
競争は熾烈
直売所では、競争が熾烈です。
というのも、売られている商品がほぼ同じだからです。
例えば、直売所で売るメイン商品は、生産者さんがつくったお野菜や果物です。
考えてもらうと分かるのですが、野菜って、基本種類が限られていますよね?
キャベツ、レタス、キュウリ、トマト、ナス、、、
季節によって、できる野菜ってほぼ決まっています。
という事は、直売所で売られる野菜も似通ってくるという事です。
例えば、僕が大阪で働いていた産直店では、100名以上の生産者さんが常時、野菜を送って下さっていました。
すると、どんな事が起きるか?
例えば、極端な例を挙げると。
100名の生産者さんが、同じ野菜をお店に出荷する。
夏になると、100名の生産者さんが、一斉にナスを出荷する。
100名の生産者さんのナスが、お店の売場に並ぶ。
こんな状況が起きるわけです。
何を買えばいいの?
商品を選ぶお客さまも大変です。
だって、100名の生産者さんがつくったナスが売られているわけですよ。
100種類のナスが並んでいる。
しかも、野菜って、基本見た目は同じです。
多少の大きさや見た目の違いはあっても、ほぼ変わらない。
素人が見ても、分からない。
さて…見た目はほぼ同じ。
でも、100種類のナスが売場に並んでいる。
お客さまは一体、どうやってナスを選ぶのでしょう?
何度も言いますが、見た目はそんなに変わらないわけですよ。
違うのは…
…量と価格です。
3本はいって100円で売っているナスもあれば、
5本はいって100円で売っているナスもあるわけです。
そう、お客さまが商品を選ぶ基準。
その1番が、価格になるのです。
「どれが一番割安なんだろう?」
という基準で選んでしまうのです。
こうして価格競争が起きる
100種類のナスがお店で売られている。
生産者さんにしてみたら、当然ながら、ご自身のナスを買ってもらいたいはず。
他の人のよりも、まずは自分のつくった野菜を買って欲しい。
ここで何が起きると思います?
値下げが起きるんです。
「Aさんは、ナスを5本入れて100円で売っている」
「だったら、私は、5本入りで90円にしよう」
「そしたら、買ってもらえるんじゃないか?」
こんな図式が、生産者さんの中に成り立ってしまうんです。
実際、何店舗の直売所さん伺いますが、皆さんおっしゃいます。
これって、まさに価格競争ですよね?
何も、直売所に限らず、あなたの業界でも起きている。
値下げ合戦。
価格競争と同じ原理…ではないでしょうか?
値下げせずに、売る方法
昨日のセミナーで生産者さんと学んだのは、
「値段を下げずに、今より売る方法」
です。
もっといえば、
「今より1割~2割価格を上げても売れる方法」
を一緒に学びました。
僕が大阪の産直店で働いていた時に経験したこと。
産直店で売上を上げる生産者さんが共通して、実践していた事。
袋詰めの仕方であったり、販促の方法。
これらをシェアしながら、最後には手書きPOPも書いてもらいました。
ご自身をPRする、手書きPOPです。
またの機会にお話ししますが、直売所で売っていくために最も効果的な方法。
その1つが、生産者さんご自身を商品化していく方法です。
これが実現すれば、値段を下げなくも売れます。
「●●さんの野菜が欲しい」
指名買いが起きます。
昨日は、その一歩となる方法を学んでもらいました。
値段を下げなくても、商品は売れます。
むしろ、やり方を180度一変させることで、価格を上げても今より売る事は可能です。
まだまだ周りがやっていないからこそ、チャンスなのです。