「価値を伝える」
大阪の産直店で仕事の1つでした。
当時は、価値なんて言葉は意識してませんでしたが、
生産者さんがこだわって作られたお野菜や果物。
「そのこだわりを、いかに届けるか?」
自分の役目だと思っていました。
こだわりの反対は、安売り、
だとも思っていましたので
高い値で販売し生産者さんへのリターン(仕入れ価格)で報いる。
必死になってました。
とはいえ、高い値段をつけても売れなければ意味がありません。
お客さまが値段に見合った価値を
感じなければ、当然売れません。
まして農産物は鮮度が命。
1日、2日経つだけで商品価値は下がります。
お店に届いた商品をいかに早く
お客さまが認める価格を見つけ、買ってもらえるか?
腕の見せどころであり、試行錯誤の連続でした。
「値決めは経営」
稲盛和夫さんの言葉です。
ご商売をする、販売をする上で
価格は切っても切れ離せない要素です。
さらに言えば、価格は、『伝える価値』に連動します。
例えば、キャベツを売るときにどんな情報を伝えるか?
- 高知県産キャベツ
- 1玉:100円
これでどれだけの価値が伝わっているのでしょう?
産直店で青果を担当し始めの頃は
こうして売っていたのですが、これだと限界があるんです。
お客さまに伝えている情報は、
- 産地
- 値段
この2つだけ。
価格を上げれば、即売れなくなる。
「100円か。●●のスーパーは88円で売ってたよね」
価格を基準に買う、買わないを決められるのです。
でも、個人や中小のお店では値段で他店になかなか敵わない。
1割、2割価格が高くても買ってもらえる。
その方法を考えなきゃいけない。
なので、
誰がつくっているのか?
誰がお勧めしているのか?
料理のレシピ、こだわりの栽培方法、、
思いつく限りのことを伝えてました。
話を分かりやすくするために
すごく単純な例を出してますが、
伝える情報は、販売の生命線。
「何を伝えるのか?」
で選ばれる、選ばれない。
安い値段でしか売れない。高い値段でも売れる。
大き過ぎる差が生まれます。
ある美容院さんは強みを洗い直し
チラシで発信したところ、2か月で50名以上の集客につながりました。
サービスを変えたわけでなく
大幅な安売りをしたわけでもありません。
あるステップ(質問)を通じて
お客さまが喉から手が出るほど欲しい情報を伝えた。
それがお店の強みとなり
サービス内容も値段も変えずに
お客さまが集まる結果となったのです。
価値を見いだす。価値を伝える。
ほんと奥が深いです。