今日は、「販売」に関する話。
売場でいかに提案すれば、商品は売れやすくなるのか?
少し考えてみたいと思います。
そこで今日取り上げるのは、五感をつかった販売です。
以前にも書いたんだけど、人間の「五感」に訴えかけるマーケティングの研究が進んでいるようです。(以前書いた記事)
「視覚」、「嗅覚」、「聴覚」、「味覚」、「触覚」。
これら人間に備わる5つの感覚をつかって、商品を売る。
販売に貢献する方法です。
では、この五感をつかった販売法。
いかにつかえば、我々の販売現場に活かすことができるのでしょう?
甘いみかんは、どうやって見分ける?
今日観ていくのは、「味覚」。
ご存知のとおり、おいしさを感じる感覚ですよね。
味覚といえば、食べ物を口にした時に舌から感じる感覚が基準の1つになっている。
そう考えられていますが、実はここには、ちょっとした盲点があって。
僕たちは、「おいしさ」を舌から感じるだけでなく、他の感覚も併用してつかっているのです。
例えば、私事で恐縮ですが、僕が以前働いていた産直店でのこと。
秋から冬にかけて販売される、
これからがシーズンの「みかん」。
これがお店で売られているシーン、
(あなたにも思い浮かべていただきたいのですが)
仮にあなたがお客さまだとしてですよ。
「おいしいみかんを買いたい」。
「甘いみかんを買いたい」。
そう思ってみかん選びをするときに、、、
何を基準にして選ばれますか?
…売場に試食が置かれていれば、それを食べて
「甘いかどうか?」
判断できるわけだけど、すべてのお店がそうとは限りません。
試食がないお店ももちろんあります。
そんな中、甘くて、美味しそうなみかんをどうやって選ぶのか?
あなただったら、美味しそうなみかんを選ぶためにどんな事をされますか?
視覚をつかって、美味しさを感じる?
産直店時代に、お客さまを見ていて気づいたことの1つ。
それは、お客さまが食べ物を選ぶときに何を重視しているか?
その1つは、「色」です。
例えば、みかんの場合。
お客さまは、みかんの表皮の色を1つの基準にします。
皮が青色がかっていたりすると、、、そのみかんの事をどう感じます?
- 表皮が濃いオレンジのみかん
- 表皮の所々が青みがかっているみかん
あなただったら、どっちのみかんを選ばれますか?
どっちのみかんが、甘そうに感じられますか?
…あとは、こんなお客さまもいらっしゃいました。
みかんを買う前に、やたらと触る方。
「そんなに触ったら、傷むやん!」
思わずツッコミを入れたくなるほど、触りまくるお客さまです。
(…いらっしゃりそうでしょ!?(笑))
触りながら、みかんの皮の張り。
その触り具合で、皮の薄さを計る。
そんな感じだと思うのですが、、、。
要は、お客さまは、みかんの味を触ることで判断しているわけです。
触りながら、表皮の触り具合で、
「このみかんは、甘いか?酸っぱそうか?」
を判断しているのです。
このように、我々は、「おいしさ」を感じるときに、単に「味覚」だけでなく、その他の感覚からの影響を受けているといえるのです。
現場にはどう活かせばいいか?
以上を踏めたうえで、お店の売場に活かせること。
例えば、さきほどのみかんの例でいえば。
仮に今売っているみかんの皮が青みがかっていたとしても、それでも甘いのだとすれば、、、
実は、このみかん、ちょっと特別なんです
ということを伝えなきゃいけませんよね。
皮が青みがかっているけれど、甘さは十分ある
ということを伝えた方が、手に取ってくれるお客さまは増えそうですよね。
…手書きPOPをつかってなのか、接客でなのか?
やり方は色々ありますが、お客さまに伝えて「皮が青いみかん」=「酸っぱい」という誤解を解く。
あるいは、おいしさ・甘さを見分ける、「お客さまの知らない」方法を伝えてあげる。
販売量を増やす1つの手段になってきますよね。
…「おいしさ」を感じてもらうのに、味覚の視点だけで伝える。
これって、ちょっと限界があったりします。
言い回し、表現法を工夫するだけでは、お客さまに伝えきれない。
表現法をいくらひねった所で、限界があるのです。
そこを考える時間をとるのも、モッタイない。
だったら、今日の話のように、
「味覚」から訴えかけるだけでなく、他の感覚。
「視覚」「触覚」「嗅覚」、、、の視点から伝えられないか?
考えてみると、1つの突破口が開けるかもしれません。
ちなみに今日の話では、「おいしさ(食品)」を例に取り上げましたが、勿論これは他の商品や業種でも活用できる話です。