あなたがPOPを学ぶ、1番の目的は何ですか?
「商品をもっと知っていただきたい」
「お店の売上をもっと上げたい」
「販売が苦手だから」
POPセミナーなどでお聞きすると、上記の答えが返ってくることが多いです。
さらに多くお聞きするのが、
「販売(セールス)が苦手だから、POPをやれば売れると思い、、」
というお話です。
そう、多くの方にとって、販売(セールス)は大きな壁になっています。
販売の壁
店舗のお仕事にとって、販売は切っても切り離せない。必要不可欠なようです。
一方で、販売のやり方やお客さまへのアプローチを一歩間違うと、商品が売れる売れないどころか…、お客さまを失ってしまう。
そう、失客に直結することだってあります。
「何かこのお店、売り込みばかり…」
一度はどこかのお店で、どこかの店員さんに感じたことがあるのではないでしょうか?
このような感情を抱いたお店に、
「またもう一度行きたいか?」
当然ながら、答えはNOのはず。
お客さまに商品を購入してもらうために、販売(セールス※)は必要不可欠です。※以降はセールスの言葉に統一します。
しかし、やり方を間違えると失客にも繋がる、非常にデリケートな部分とも言えます。
そこで今回はセールス、特に効果的なオススメの方法を一緒に学んでいきたいと思います。
思わず買いたくなる販売法
ある日、家族でボーリングに行ったときのこと。(突然、身近な話になり申し訳ありません。。)
「ボーリングに行こう」
娘がそう言うので、行ってきました(娘が一番の決済権者です)。
ボーリング自体はもちろん楽しめました。娘も途中で飽きることなく、満喫してくれました。しかし、それ以上につかんだ副産物がありました。
それが今回のテーマである、思わず買ってしまいたくなるオススメ法です。
家族とボーリングへ行ったその日は、日曜日という事もあり混雑していました。
受付で手続きを済ませ、番号札をもらい、順番待ちをしなければなりませんでした。
うーん、どうでしょう?40~50分近くは待ったと思います。その間あまりにも退屈だったので、ボーリングの待合場所を娘とウロウロしていたんです。
すると、ある1枚のディスプレイに釘付けに。
ボーリングに関する備品を購入できるサイトにつながっていました。画面には、ボールやグローブ、バッグなど様々な商品が紹介されていました。
私たち親子は、そんな商品を全く買うつもりはなかったのですが、あまりにも退屈だったのと、興味本位からカチカチ画面を操作していたのです。
すると、ある変化に気が付きました。
これが今回テーマなのですが、画面上のサイトでは様々な商品が紹介されている。
そして、その商品ごとに様々なメーカーが存在していました。
例えば、ボール1つをとっても20~30種類が紹介されており、メーカーも3社ありました。
さらに各商品ごとにボールのお勧め文章が書かれていたのですが、あるメーカーのボールだけ、
ちょっと他とは違ったお勧めの『仕掛け』があったのです。
実はあるメーカさんの商品ページだけ、『プロボーラーが解説した動画』が貼り付けられていました。
例えば、ハリケーンというボールをクリックすると、商品紹介ページが表示されます。そこにボールの重さだったりとか、特徴が書かれています。さらに、Youtubeの動画も見れるようになっています。
内容的には、3人の登場人物が出演。1人は、メーカーの方。残り2名は、プロボーラー。実際に2人のプロボーラーがボールを試投し、その使い心地を解説されていました。
これを見ていて、心が動いたのです。
「これって、ボーリングだけじゃなく、他の業種や商品でも使えるやん!」
閃きに変わりました。
販売者と専門家のちがい
結論からお伝えすると、『販売者』ではなく、『専門家』が商品の解説をする。ここにポイントがあります。
今回のボーリングの商品であれば、ボールを製造するメーカーさんが直接、商品をお勧めすると、
「どうせ、商品を売るためでしょ?」
嫌らしさを否めません。
しかし、そこにプロボーラーという専門家を交え、解説してもらう事で、
「プロの方も勧めるくらいだったら良い商品なのかも…」
お客さまの感情が動く可能性が生まれます。これを他業種に当てはめてみると、例えば、調剤薬局さんがOTCや健康食品をお勧めするときに、薬剤師さんの立場から商品を解説(説明)する。
そして、その説明トークをPOPにするのです。
誰がおすすめするのか?
お店の人間が商品を勧めるのじゃなく、医薬品のプロである薬剤師の視点で商品を伝える。その結果、セールス色が薄れた印象を与える可能性があるのではないでしょうか?
お米屋さんならお米マイスターのような(資格名はよくわかりませんが)、何か立ち位置があると思います。そのお米の専門家の立場から商品を紹介するイメージです。
- 販売者が説明すると『セールス』
- 専門家が説明すると『解説』
になります。
この違いが結果を180度一変させる。
お客さまに売込みととられるのか?
商品に関するアドバイスをもらえたととられるのか?
大きな違いが生まれる可能性があります。
買いたいを引き出すアプローチ
そのためにもまずは、
- 立ち位置を確認する(どんな専門家になれるのか?)
- 専門家の視点で商品を紹介する
- 繰り返し再現できるようPOPに書く
この3ステップを意識することです。
繰り返しになりますが、商品を購入してもらうにはセールスが必要不可欠です。
しかし、そのアプローチ次第で、売れる、売れないに大きな違いが出ます。
セールスの際に、販売者なのか?専門家なのか?どんな立ち位置で商品を紹介するのか?
たったこの意識の違いで、つかめる結果は天と地の差が表れるのではないでしょうか。