他店でも売られている商品を他店と同じ売り方で売っている限り、当然ながら売れづらいです。
お客さまは、価格の安いお店、
自宅から近いアクセスの良いお店、
品揃えの良いお店で買おうとします。
当然の心理だと思います。
地域の個人・小規模店さんが何としても乗り越えなければならない悩みの1つです。
個人店がイ○ンさんに勝てるのか?
どこにでも売っている商品を、どのようにアピールすれば売れますか?
メルマガ(※)読者さんからご質問を頂きました。
(POPの書き方マニュアルご登録者へお送りしています)
商品を仕入れて販売する小売店特有の悩みだと思います。
商品を売る側からすれば、何としても回避したい状況ではないでしょうか。
商品の選択基準がお客さまの頭のなかで『価格』である限り、小さなお店は圧倒的不利な状態です。
イ○ンさんと同じ価格、
イ○ンさんより低価格で販売する、
かなり無理があると思います。
説明する必要もないかもしれませんが、全国規模のイ○ンさんは大量の商品を仕入れます。量を仕入れる分、仕入価格も安くなります。
個人、自営業のお店が到底太刀打ちできません。
価格でなければ何で勝負する?
他店と同じ商品を売っていて他店より安く販売できないのなら、何をアピールすれば良いか?
その1つが、『売り方』です。売り方に知恵をしぼる必要があります。
他店ではやっていない、販売スタイルをとった方が売れやすくなります。
例えば、手書きPOPもその1つです。
POPの活用法1つで、たとえ少々価格が高くてもお客さまに選んで頂ける。
1割~2割くらいなら販売法でカバー可能です。
販売スタイルを一変させる
例えば、私は30歳の頃、大阪の産直店で働いていました。
産直店といえば、生産者さんから直接野菜を仕入れるお店です。私がいたお店では数百人の生産者さんからお野菜を仕入れていました。
なので、キュウリ一つをとっても、何十人もの生産者さんがつくったキュウリが売場に並びます。
お客さまにすれば、
「一体どれを買えば良いの?」
状態です。
見た目的には、そう違いはない。価格は10円~20円違う感じ。
鮮度も同じ。仕入れたばかり。
はっきり言って、お客さまはどれを買えば良いのか区別がつきません。
多少パッケージが綺麗にしてあれば、それを目安に選べますが、多くの場合、見た目では差がありません。
お客さまはどうやって選ぶのか?
価格です。
どうせ同じ量、同じ見た目なら、10円でも価格の安い野菜を買おうとするのです。
…仕方ありませんよね。
というか、ここが
販売者の腕の見どころ。
生産者さんの中には、農薬を使わず化学肥料を使わず、こだわって栽培する生産者さんもいらっしゃいます。
そのような生産者さんの野菜は多くの場合、2割~3割。
時には、倍の値段がする場合もありました。
かたや100円のほうれん草があれば、その生産者さんは180円の値段を付けている。
こういった状況が多々あったんです。
私にしたら、価格が高くても品質の優れた野菜であれば売りたい。
お客さまにお勧めしたい、となります。
では、どうやってそのお勧め感をアピールしていたか?
新米でもバカバカ売れた
野菜の販売であれば、凄くやりやすい方法として生産者さんを伝える方法があります。
「この商品は○○さんがつくった野菜です」
POPで伝える手法です。
恐らくあなたもご存知だと思います。
私も産直店時代、この手法をつかって、ジャンジャン売りまくっていました。
農業を始めたての新米生産者さんのお野菜でも、初回の仕入れからバカバカ売れていました。30年以上農業経験のある、ベテラン農家さんよりも売っていました。
「作り手を伝える」
はっきり言って超強力な販売手法の1つです。
ただ…こんな話をすると、
「うちの商品には当てはまらない」
と感じるかもしれません。
「うちは、作り手の視えない製品なので、野菜と同じように売る事ができません」
「何か他に販売法はありませんか?」
ごもっともだと思います。
そこで今回あなたにお勧めする販売スタイルは、
あなたの『フィルター』を通して販売する
方法です。
「フィルターを通す?」
「一体何のこと?」
解りやすく言えば、
「あなたなりの方法で商品を紹介する」
です。
どんな商品でもバカ売れるする販売法
あなたのフィルターを通して販売するというのは、どういう事か?
例えば、キュウリを販売するとします。
通常、キュウリと言えば、どこのスーパーさんでも売っている商材です。
多くの場合、価格勝負になっています。
そんな時に、あなたのフィルターを通して販売するとどうなるのか?
「これで娘も完食してくれます!」
というキャッチコピーを付けて、その下に、あなたのお家特有のキュウリの食べ方を紹介してあげる。
すると、どうなるか?
同じキュウリ1本を販売するにしても、あなたのお店独自のオリジナルの販売法になります。
お客さまにしたら、キュウリ1本を買うにしても、楽しい。
値段以外の魅力を感じる事になります。
魚屋の大将のうんちくが価値
要は、キュウリ1本を販売するにしても、販売する方の経験を通して紹介してあげる。
例えば、今回であれば食べ方でした。そうする事でどこにでも売られている商品に特別感を与えます。
少し大袈裟な言い方をすると、唯一無二の存在になるのです。
長野県産のキュウリは、どこでも販売されています。しかし、担当者の娘さんが喜ぶ食べ方を
一緒に紹介したキュウリは、他店では販売されていません。
特別になります。
お客さまにとっては、あなたのお店でしか売られていない商品に感じられるかもしれません。
サバを1尾買うにしても、魚屋さんの大将のうんちくを聞いていると、少し特別感を感じませんか?
経験が価値になる瞬間
あなたのフィルターを通す、
というと難しく聴こえるかもしれません。
もっと簡単に言うと、
あなたの経験を通してその商品を紹介してあげるイメージです。
『商品』+『あなたの経験』=『特別感』
その売りたい商品に対して、
- あなたはどう思っているのか?
- どんな使い方をしているのか?
- 過去にどうお客さまに喜んでもらったのか?
など、あなたなりにかみ砕いて、商品を紹介してあげるのです。
そうする事で、その商品はあなたのお店でしか売っていない商品に生まれ変わります。
どこにでも売っている商品を
どのようにアピールすれば売れますか?
この質問に関する1つの回答は、あなたのフィルターを通して商品を紹介してあげる。
「あなたにとって、その商品はどんな存在なのか?」
あなたなりの方法で商品をご紹介してみましょう。