「どんな言葉を書けば、お客さんの目を引くんだろうか?」
手書きPOPをつくっていると、一度は考える視点だと思うんです。
ただ、今からの時代、もっと大切にしたい考え方があって。
それは、
「どれだけ親しみを感じられるか?」
親近感を感じてもらえるメッセージをつくることが、1つのカギになってきます。
目を引こうとすると生まれる2つのデメリット
強烈な、お客さんの目を引きそうなコトバを探す。
秀逸なキャッチコピーでお客さんを振り向かせる。
すごく理解できる考えです。
僕自身も新商品を売るときに、この視点でセールスレターをつくったこともあります。
ただ一方で、多くのお店や会社が上記のような方法で情報発信をしている現在。
この従来のやり方だと、デメリットが出てきます。
パッと思いつくだけでも、少なくとも2つ。
1つ目は、「他社と同じになりやすい」。
どこのお店や会社も情報発信するのが当たり前の今、メッセージが均一化。
似たものになりやすい。
当然、他社と同じメッセージで発信していても、お客さんには喜ばれませんよね。
読まれず、埋もれてしまう。
そんな恐れがあります。
もう1つの理由は、「信頼されにくい」。
目を引く言葉はなんだろう?
この視点で考えられたメッセージは、どうしても造られた感が漂う。
悪い言い方をすれば、胡散くさい表現になりやすい。
読むお客さんからすれば、信頼できないメッセージになってしまう。
結局は、目に留まらない情報になってしまうのです。
手書きPOPで大切にしたいこと
手書きPOPをつくるときに、心に留めておきたい1つの考え方として、
【言文一致】、
こんなのがあります。
日常に用いられる話し言葉に近い口語体を用いて文章を書くこと。
もしくはその結果、口語体で書かれた文章のことを指す。口語体で書かれた文章を口語文という。
要は、「話し言葉」=「書き言葉」を同じにする、ということです。
実はこれ、手書きPOPでもすっごく重要な考え方で。
POPに書くメッセージも、普段あなたがお客さんに話している言葉(内容)。
それをそのまま書く。
この考え方がすっごく大切になってくるのです。
例えば、こちらの2枚の手書きPOPを見ていただけますでしょうか。
ある農業学校で手書きPOPの講習会をしたときに書いてもらったモノです。
新規就農を目指し、有機農業を学ばれる生徒さんが書かれました。
まずこちらは、講習会始まってスグに書かれたモノ。
参加者さん自身が育てられる人参について書かれました。
「嶺北」というのは、人参を育てる畑のある地名です。
っで、次が、講習会最後に書かれた手書きPOPです。
・・・いかがでしょうか?
同じ人参について、同じ方が書かれたPOPです。
受け取る印象、何か違いますか?
普段話す言葉で手書きPOPも書いてみる
文章にして書くというと、どうしてもカシコマッテしまう。
そういう方が多いと思うんだけど。
普段のまんま。
いつも接客している時につかっている、
- コトバ
- 内容
をそのまま、手書きPOPのメッセージに落とし込む。
これができると、冒頭で話したような
- 「他社と同じになりやすい」
- 「信頼されにくい」
これらの問題をクリアしやすくなってきます。
ご紹介した2枚の手書きPOP。
1枚目は、どちらかというと、、、どこかで見たことあるようなフレーズ。
他の(人参をつくる)生産者さんなら、書けるかもしれない。
メッセージになっている感じがしませんか?
しかし、2枚目になると、その課題は払しょくされています。
この生産者さんにしか書けない内容になっている。
しかも、書かれていることに疑いの余地なんてない。
信頼できるし、親しみの感じるメッセージになっているんじゃないでしょうか。
今からの時代、
「どんな言葉を書けば、お客さんの目を引くんだろうか?」
という考え方も大事だけれど、
「どれだけ親しみを感じてもらえるか?」
「親近感を感じてもらえるメッセージになっているか」
この視点が、手書きPOPをつくる上でも1つのカギになってきます。