POPを書く上での
「共感を呼ぶ」メッセージのつくり方、
これが今日のテーマです。
POPを書いて商品を売る。
接客して商品を売る。
アプローチの仕方は違うですが
共通する事が1つあります。
それは、
『お勧めの仕方』
です。
お客さまへのお勧めの仕方を
間違えると、POPをどれだけ書いても
読まれません。
どれだけ丁寧に話しかけても
こちらの話を聴いてもらえません。
「鬱陶しいな」
という顔をお客さまにされ、
スタスタと売場から逃げて行かれます。
少し考えてください。
休日、あなたはご家族と
ご近所の電化製品店に行きました。
もう少ししたら買い換えようと思っている
冷蔵庫をチェックしておくためです。
とりあえず今回は下見。
「どんな商品があるのか?」
「いくら位するのか?」
物色するために来ました。
冷蔵庫売場へ到着。
すると15mくらい向こうにいた
店員さんがこちらに気付いた。
目が合った。
「今日はどんな冷蔵庫をお探しでしょうか?」
ハンターのような目をしながら
近寄って来たら、どうでしょう?
…
「あぁ、やっぱり来たか」
予想通りとはいえ、
どうやって興味のない振りをしようか
少し戸惑いませんか。
ただ誤解して欲しくないのは、
店員さんがお客さまに話しかける、
「これが悪い事だよ」
と言いたいわけではありません。
販売意欲が先行すると…?
POPのセミナーや研修をしていて
よく感じるのは、
「どうやってお勧めしようか?」
ここを思案しながらPOPを書かれる
受講者さんが大半だという事です。
「どんなお勧めメッセージを書けば…」
「どんなキャッチコピーを書けば…」
「どんな言葉が響くんだろう…」
ここに注力しながら
POPを作成されている感じです。
要は、
『どうやってお勧めしたら…』
ここに最大の関心が向いています。
考える中心が
『自分(販売者)』
になっているんですね。
先ほどの電化製品店の店員さんのイメージです。
「おっ、お客さまだ、
どうやってお勧めしよう」
こんな感じです。
ここで考える中心を
『自分』から『お客さま』へ
向けて欲しいんです。
ここに目を向ける
例えば、あなたがスーパーの野菜売場で
働いているとします。
そこで今お店で売り出し中のトマトを
お客さまにお勧めした。
しかし、お客さまは買ってくれなかった。
その時に考えるのは、
「どうしたら売れるんだろう?」
ではなく、
「どうして、お客さまは買って
くれなかったのだろう」
その『買わなかった理由』に
目を向けて欲しいんです。
もし仮に、値段が高いことが理由で
買おうとしなかったのであれば、
こんな接客の仕方も生まれます。
「このトマトって、普通のものに比べると
少しお値段的に高く感じますよね…?」
お客さまがその商品に対して
抵抗を感じている『デメリット』の部分に
あえて触れるのです。
「値段が高い」=「マイナス要素」
という図式をあえて打ち破って
伝えてきた店員さんに、お客さまは
どんな感情を抱くのでしょうか?
自分の商品の良いところを
ガリガリお勧めしてくる店員さんより
何十倍も信頼できる、
そんな感じしませんか?
『メリット・デメリットの法則』
お客さまは、ガリガリ商品をお勧めしてくる
店員さんに飽き飽きしています。
自社商品を先行して伝えるPOPに
うんざりしています。
だから話を聴こうとしてくれないし、
POPに気付いても、右から左へスルー
されてしまうのです。
そうじゃなく、
「お客さまはなぜ、この商品に対して
どんなイメージを持っているのだろう?」
「何かマイナスな印象を持っていないだろうか?」
を考える。
そしてそのお客さまの気持ちを
解消してあげる。
お客さまの気持ちに寄り添うイメージです。
解りやすく言うと、
ステップ1:商品に対してお客さまが抱くデメリットを考える
ステップ2:お客さまの気持ちに同意する
ステップ3:メリットを伝えてお勧めする
この3ステップで商品をお勧めする、
POPメッセージを書いていくのです。
商品の良い所を伝えれば
お客さまは興味を持ってくれる、
というわけではありません。
お客さまが頭の中で考えている事に対して
寄り添ってあげる。
そうする事で、
「信頼」
が生まれます。
その信頼を築く事ができれば、
お客さまは話を聴いてくれる態勢が
整っています。
その後、商品の良い所を伝えて
お勧めしてあげるのです。
もう一度言います。
- デメリット
- 同意
- メリット
この流れでメッセージを伝える、
「メリット・デメリットの法則」を活かして
POPを書くと
お客さまの姿勢が変わってくるはずです。
売場の前で立ち止まり
あなたのPOPをじっと見てくれるでしょう。