ここは、岡山駅構内にあるコーヒーショップ。
乗継の間に、軽食をテイクアウトするつもりだったのだけど。
オーダーしてから、かれこれ7~8分経ってます。
…これって、もしかして、ヤバいパターンじゃ!?
出張帰りの岡山駅でのこと
先週、出張先での仕事を終えて帰る途中。
新幹線から特急への乗り換えに降りた、岡山駅でのこと。
「時間あるかな?」
左手の時計を見てみると、18:48。
「うん、晩ご飯代わりに軽く買っておこうかな」
そう思って、駅構内にあった某コーヒーショップに入ったんです。
(駅弁食べるのもヘビーだし、コーヒーとサンドイッチみたいのでいいかなと思って)
店内に入る前の時刻、18:50。
カウンターの上に置かれたメニューシートを見ながら、
「コーヒーのLサイズ、それと、、、このクロック…っていうやつ(トーストの間にチーズを挟んだホットサンド)。あと、このシュー…っていうのも」
1日仕事で少しお疲れ気味もあったので、甘いのも食べたくなって一緒に注文したんです。
僕がオーダーしたのは、全部で3つ。
「出来あがるまで、そこのお席でお待ちください」
会計を済ませると、女性の店員さんがそう言ってくれました。
スーツケースを席の横において。
よっこらっしょ、みたいな感じで席へ。
このときの時刻、18:52。
ちなみに、乗り換えの特急の発車時刻は、19:09
まだ20分近くある。
その席で待っていたんです。
オーダーを待つ
・・・・・・・・。
・・・
・・・・・・。
さっき注文した商品は、まだできません。。
「う~ん、まだできないね」
左手の時計を見てみると、18:59。長い針が「12」のところまで来てる。
さっき注文してから7~8分経ってるし。
さすがの僕も少し気になってきて。
目の前(2mくらい前)にあるカウンターを見てみると。
3人の店員さんがいます。
女性の1人は、レジの担当っぽい(この人がリーダーかな)。
あとの2人は、学生っぽいお兄さんと、その男性の上司っぽい女性。このかたも20代前半くらいと若そうな感じ。
主に作業は、お兄さんがやってるのが分かります。
横の上司のお姉さんの方をキョロキョロ見ながら、手を動かしてるんです。
横を向いて何やら聞いては、視線を手元に落とす。
これの繰り返しです。
いっこうに作業が進んでる様子なし。。
いよいよ、時計が気になってきました。
「特急の時間も迫って来たんじゃないの?」
時計を見ると、19:02。
この時点で発車まで、残り7分。
でも、そのコーヒー店からフォームまで行かなきゃいけない時間もあるし。
それを考えると、結構焦ってきた。。
…っと、その時ようやくお兄さん、1つ目のメニューが完成したみたい。
2つ目のシュークリームみたいな商品の作業にかかり出しました。
チューブからカスタードクリームを搾りだしているのが見えます。
「お兄さん。はよっ、搾ろうや。ギューっと、ギューっと」
あんまり何回も時計を見てると、焦ってるみたいで格好悪いし店員さんにも悪いかな?
そう思って時計は見てなかったんだけど。
この時点で僕の目線は、作業をするお兄さんに釘づけです(笑)
また隣のお姉さんに、何やら聞いてる感じのお兄さん。
「いやいや、もう聞かないで。
もう、それでいいから僕に渡して、そのシュークリーム。早く。」
さすがの僕も焦って来た。
その瞬間。
「ハイ、お待たせいたしました」
レジ係のお姉さんがこっちを見て、スマイルで声をかけてくれました。
「ありがとう」
手提げの紙バッグを受け取る僕。…もちろん、スマイルでね。
お店を出て、左手を見る。
時刻は、19:05。
発車まで残り4分。
そこから、もうダッシュしたのは言うまでもありません。
特急には、、、、何とか間に合いました。
呉服会社の先輩の忘れられない「言葉」
この岡山駅でのコーヒーショップの一件があった後、僕はある事を思い出しました。
それは、新卒で入った呉服会社でのこと。
入社後、配属された商品第1課の先輩に言われたひと言です。
「臼井、仕事で大事なことがあるんやけど、それって何か分かるか?」
こう質問した先輩が、その後、僕に続けていった言葉。
臼井、仕事で大事なんは、フリをすることや。
俺は仕事ができる。
俺はプロなんや、っていうフリをするのが大事なんや。
そうしたら、相手はお前は仕事ができるって思わはるから。
そんな事を先輩が言ってくれたのを思いだします。
要は、格好だけでもいいから仕事ができるふりをしろ。
不安そうな顔をして着物を売っていたら、誰も買ってくれへんぞと。
「何事も格好から入れ」
みたいな言葉がありますが、先輩が言っていたのは、まさにその事だと捉えています。
堂々と、さも経験があるように着物を広げて営業トークしろ。
そんな事を言っていたんだと思っています。
販促物も同様です。
「これでいいんかな?」
あなたが不安な気持ちで書いたレター(手書きPOPの文章)。
その感情は、間違いなくお客さまに伝わります。
そして、そのような印象を持った手書きPOPのメッセージでお客さまの心を動かす。
それは難しい。…想像するのは難しくありませんよね?
岡山駅のコーヒーショップのお兄さん。
不安で、焦っている、そのお兄さんの気持ちは確実に僕に伝わりました。
精神論の話じゃないけれど、手書きPOPを書くときの気持ちの持ち様。
実は、これも手書きPOPで成果を上げるための重要な要素の1つです。
自信を持って、堂々と。
出張の最後。おかげさまで、2016年、10本の指に入る想い出ができました。