今から20年近く前のこと。
大学卒業後、新卒で初めて仕事に就いた職場での話。
それは、京都烏丸のとある会社。
今はなき呉服メーカーでのこと。
当時22歳だった僕は、営業マンとして「商品第1課」に配属されました。
それが今日の主人公、I部長との出逢いでした。
今でも憶えています。
同期で入社したのは、男二人。
女性が4人の計6名でした。
当時、僕は京都の大学に通っていたんですね。
4回生の春(4月くらいだったかな)になって、就職活動をスタート。
会社パンフレットを請求。
合同説明会に参加。
数十社の企業とのやり取りを済ませ、、、
採用通知をもらったのは、4回生の秋。11月ごろでした。
(何とか就職できた、、、という安堵感が1番でした(笑))
呉服メーカーの営業職。
といっても、初めの2年間は営業なんてさせてもらえませんでした。
着物たたみ。
これが僕に与えられた毎日の業務でした。
(…2年で退職した僕は、結局営業に出ることなく終わります)
当時僕が配属された課は、「商品第1課」。
呉服のなかでも「中国刺繍」の着物をあつかう部署でした。
メンバーは、4名。
石塚部長、2年上の寺田先輩、事務担当の20歳の女性、桝本さんに僕。
「1課」の社内での評判は、、、
当時の石塚部長が、超ヤリ手だったのです。
毎月の予算をあっさりクリア。
というか、もう月が始まる前から予算達成しているんです。
売上貯金というのを隠し持っていて、日々、伝票さえ書けば売上が計上される。
当の部長は、喫茶店や仲良しのお得意先で一日の3分の2を過ごす。
そのような方でした。
そんな部長の下で僕も鍛えてもらいました。
といっても、2年で辞めてしまったので、エラそうなことは言えないのですが。。
部長のもとで働かせてもらって、今でも身になってるなぁと思うこと。
その1つが、「段取り」の仕組化です。
僕が配属された1課は、何をするにしても仕事が早かったんですね。
展示会前の日、他部署は夜21時22時まで残業が当たり前。
なのに、1課は17時30分の定時チン!に退社できていました。
その要因は、事前準備を仕組化していたこと。
…だと思っています。
何をするにしても、石塚部長は準備、段取りを重視される方でした。
例えば、14時に染屋さんが持ってくる新モノの着物を、得意先へ出荷しなきゃイケない。
そんな作業があったとします。
だったら、13時から
- 伝票を切って
- (着物を入れる)段ボールをつくる
- 出荷場の担当の方に声をかける
といった事をやっておけ、という方でした。
- 段ボール置き場は常に、サイズごとに整理しておけ
- 翌日出荷分の伝票は、前日の夕方に書いておけ
- 得意先が来るのなら、そのお客さまが求める着物を売場(畳)に並べておけ
そんな事前作業を徹底。
仕組化される方でした。
そして、この当時の部長の教え「事前準備」の仕組化は、今でも活きています。
仕事が変われど、習慣となっている気がします。
今なお、手書きPOPにも活かせています。
手書きPOPを継続的に、実践していくうえで欠かせない取り組みの1つになりました。
大阪の産直店でも守られました。
例えば、日常業務のなかに、手書きPOPを浸透させる。
- 商品(野菜)がお店に入荷
- 予冷庫から荷物を作業場へ運ぶ
- 加工(小分け)・パック詰めをする
- カートに載せて、売場へ出す
- 陳列
この日々の作業のなかに、
「手書きPOPを書く」
という作業を日常化させるには?
仕組みとして定着させるには?
5.「カートに載せて、売場へ出す」前に、手書きPOPを書くという作業をする。
商品を売場に出す前に、1分2分とって手書きPOPを書く。
この作業を一連の作業の流れに入れました。
仕組みとして、組み込みました。
すると、売場へ商品を出す前に手書きPOPを書くのが僕のなかで当たり前になりました。
手書きPOPで成果を上げるには、継続が欠かせません。
ある一定期間つづけることで、成果につながる。
売上という数値になって表われる。
そのためにも「仕組化」が必須です。
あるスーパーでは、バックヤード(作業場)の出入り口に「ペンキ」と「筆」、「段ボール」が置かれているといいます。
商品を売場へ出す前に、手書きPOPを書く。
この作業を日常化させるための仕組みです。
仕組化できると、手書きPOPは継続します。
あなたのお店では手書きPOPの仕組みは何かありますか?
継続実践するために何かされていますか?
■追伸:
部長は仕事をよくされる分、きびしい方でもありました。
僕もよくハンパない怒られ方をしていたのを今でも思い出します。