あなたのお店は、どっち派ですか?
…手書きPOPの人材研修にうかがうと、よく見かけるシチュエーションがあります。
手書きPOPを書く実習をしていると、
「私、こういうの書くの苦手だから、●●さん書いてよー」
「●●さん、絵を描くのも上手だしぃー」
従業員さんのお一人がこんな事を言われるのです。
要は、自分は手書きPOPを書くのに向いていない。
だから、他の人に書いてもらいたい。
うまく書いている他の従業員さんに任せてしまいたい。
こんな感情を持たれる従業員さんが現われるんですね。
…っで、ここである1つの疑問が生まれます。
- 従業員全員で手書きPOPを書く
- それと、担当者さんを決めてその人にPOPを書いてもらう
どっちが良いのだろう?
という疑問です。
あなたはどう思われますか?
担当者を決めた方がいい?
手書きPOPを書く時に、
- 担当者を決める
- 従業員全員が書く
大まかにいうと、この2つのパターンがあります。
今日この場では、どっちが良いというスタンスから言及はしません。
ただし、それぞれのやり方をした時に、注意しておいた方が良いポイント。
そこを一つずつ考えています。
1.担当者を決めて手書きPOPを書いてもらう
「販促担当」のような方を決めて、手書きPOPをその方にすべて任せてしまう場合。
たとえば、今月オススメしていきたい商品があれば、
「●●さん、このPOPをお願いします」
といって、担当者さんにPOPを書いてもらう場合。
ここで気をつけなければならないのが、すべて任せっきりにしないこと。
当然のことなんですが、
「POPを書くのは、●●さんの仕事」
「それは、私の仕事じゃない」
といったスタンスを従業員さんが持ってしまうと、お店での協力体制ができないどころか。
担当者さんも良い手書きPOPが書けません。
担当者さん1人がお店全部の商品を知る、
というのには限界があります。
さらに、担当者さん1人の視点だけで手書きPOPを書く。
ここにも限界があります。
POPのメッセージの視点が、偏ってしまう危険があるのですね。
いろんな視点、角度から商品を伝えてこそ魅力は伝わります。
そういった意味でも、まわりの従業員さんも協力的でないと始まりません。
担当者さんに、
「この商品の手書きPOPを書こうと思っているんだけど、教えてもらえない?」
って聞かれたら、協力的にその質問に答える。
その姿勢をお店全体のスタッフさんに広げる取り組みが必要です。
2.従業員全員で手書きPOPを書く場合
ここで気をつけなければならないのは、「統一感」です。
従来、手書きPOPのメリットの1つに、
「POPを書く人の個性・人柄を伝えることができる」
というのがあるのですが、実は、ここで1つの問題が生まれます。
全員でPOPを書くということはイコール、いろんな手書きPOPが出来あがるということです。
個性豊かなPOPが生まれることはベターなのですが、
一方で、お店の「統一感」が崩れない。
その工夫が必要となってきます。
当然ながら、書く人によって、
- 書く文字
- 文字の大きさ
- 文字のクセ
- 文字と文字の間隔
- 色づかい…etc
といった手書きPOPの要素は違います。
先ほどもお話ししたように、書く人によって個性のあるPOPに仕上がるのは、従来なら手書きPOPに備わるメリット。
手書きのもっとも優れた部分の1つです。
(そして、そこをウリにした手書きPOP販促法もあります)
ただし、その個性もある一定の「統一感」があってこそ。
自由は、ある一定の規律のうえで成り立つ。
といわれるように、手書きPOPも同様。
一定のルール。
統一感を創りだしてこそ、書き手の個性や人柄あふれるPOPになってくるのです。
小規模店に向いているのは?
以上、簡単にですが、
- 担当者を決めて、手書きPOPを書く
- 従業員全員で手書きPOP書く
2つの視点から、注意したいポイントを考えました。
小規模店であれば、前者。
特定の担当者を決めてお店にPOPを広げていくというのは、現実的に厳しいかと思います。
人数からいっても、専門の担当者をつける。
なかなかその余裕はないんじゃないでしょうか。
スタッフ全員で手書きPOPをお店に溢れさせる。
作業的にも、その効果を考えてもこちらのほうが適しています。
その際はまず、スタート地点として、「統一感」。
統一感をつくったうえで、スタッフさんの個性や人柄を伝えていく。
そのスタンスをお店全体に広げましょう。