全国で実施されたセミナー・研修の事例紹介はこちら>>

安売りに頼らない直売所は、どうすればつくれるのか── 多くの地域で共通する課題を、滋賀県高島市で考えました

1月21日、滋賀県高島市にて、高島地域農業センター様主催の
農産物直売所出荷組合員等研修会で講演を担当させていただきました。

今回の研修で扱ったテーマは、
特定の地域に限った話ではありません。

私がこれまでご縁をいただいてきた
全国各地の直売所や道の駅でも、
共通して耳にしてきた課題について、
参加者の皆さんと一緒に考える時間となりました。

来訪者が増えても、売り場づくりは簡単ではない

近年、直売所や道の駅を訪れるお客さまは増えています。
一方で、

  • 年間を通じた品ぞろえの難しさ
  • 出荷者の高齢化や減少
  • 新たな出荷者が増えにくい現状

といった声は、
多くの地域で共通して聞かれます。

直売所は、
地域の特産品を販売する場であると同時に、
農家にとって大切な収入の糧となる資源でもあります。

だからこそ、
売り場をどう維持し、どう魅力ある形で続けていくかは、
多くの地域にとって避けて通れないテーマです。

産直の現状を物語る、ある生産者の言葉
※参加者ご自身に当てはめ、「●●」 の言葉を考えてもらいました

誰かが悪いのではなく、構造として起きていること

出荷者の皆さんは、
日々工夫を重ね、品質向上にも取り組まれています。

それでも、

  • 周囲との価格競争
  • 「価格で選ばれてしまう」売り場の空気
  • 正当な価格をつけにくい感覚

こうした状況が重なると、
続けたくても、続けにくいと感じてしまう場面が出てきます。

これは特定の人や地域の問題ではなく、
時代や環境の変化のなかで、
多くの直売所で起きやすくなっている構造だと感じています。

お客さまは、本当に「安いから」選んでいるのか

研修では、
「お客さまはどのように売り場で商品を選んでいるのか」
という視点から考えていきました。

  • 見た目が大きく変わらない
  • 内容量もほぼ同じ

そんなとき、
売り場で得られる情報が「価格」しかなければ、
価格が判断基準になってしまいます。

裏を返せば、
価格以外の情報が伝われば、選ばれ方は変わる
ということでもあります。

はたして価格以外の情報を売り場で伝えているか?

売り場の空気を変える、3つの視点

今回の研修では、
直売所で選ばれやすくなるための視点として、

  • 袋詰め
  • タグ
  • 伝え方

この3つを紹介しました。

ただし、
テクニックを覚えることが目的ではありません。

売り場全体として、
価格以外の価値が自然と伝わる状態をつくること。

そのために、
美味しさやこだわりを「見える形」にする
考え方を共有しました。

出荷が楽しくなることが、売り場の力になる

価格の話ばかりをしなくてよくなる。
自分の商品を、自分の言葉で伝えられる。

そうした小さな変化が、

  • 売れ残りを減らす
  • 出荷への前向きな気持ちを生む
  • 売り場全体の魅力を高める

ことにつながっていきます。

直売所や道の駅の大きな魅力は、
生産者の存在感が感じられること。

これは量販店にはない、大きな強みでもあります。

参加者アンケートから見えた、現場の実感

今回の研修後、参加者の皆さんにアンケートへのご協力をいただきました。

「大変良かった」「良かった」と回答された方は、全体の96.1%。
多くの方にとって、
売り場や伝え方をあらためて見直すきっかけになったことがうかがえます。

道の駅や直売所の講演に対する参加者の評価

満足度:96.1%
(大変良かった 34.6%/良かった 61.5%)

##「ハードルが下がった」「やってみたいと思えた」

アンケートには、
具体的な気づきや前向きな声も多く寄せられました。

「事例を示していただき、分かりやすかった」

「特別なことではなく、生産者の存在を伝えるという話を聞いて、
ハードルが下がり、何かやってみたいと思いました」

## 「こだわりの伝え方」に気づいたという声

「情報を伝える(見せる)ことの重要性が理解できました」

「商品の見せ方がとても参考になりました」

「価格で決めるのではなく、
作り手の存在が伝わることが大切だと改めて感じました」

## 明日から試してみたい、という声も

「自分も一つの袋の中に、
何か買ってもらえるようなシールを入れてみたい」

「わかりやすく、さっそく実行してみようと思いました」

こうした声からも、
知識として終わる研修ではなく、
現場での一歩につながる内容だった
ことが伝わってきます。

多くの地域で共通するテーマとして

今回の研修で共有した内容は、
高島市に限った話ではありません。

直売所・道の駅・地域農業に関わる現場で、
多くの方が向き合っているテーマだと感じています。

POPや売り場づくりは、あくまで手段。
本当に大切なのは、
現場に関わる人が「やってみよう」と思える空気をつくること。

これからも、
そんな一歩を後押しする支援を続けていきます。

※本研修は、高島地域農業センターさま主催により開催されました。
主催者サイトでの研修紹介はこちら
https://takashima-nogyo.com/2025/12/27/1523/

POPコンサルタント 臼井の出版書籍
売れるPOP講座 テキスト