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「野菜の値段が安すぎて…」直売所運営者が抱える悩みから見えてきた、出荷者減少の課題

青森県の十和田おいらせ農業協同組合(以下、JA十和田おいらせ)さまでセミナーでした。

セミナーのテーマは、「直売所で映える商品づくり」と題して、魅力的な商品づくり、売り上げアップにつながる袋詰めのコツです。JAさんが運営する直売所「かだぁ〜れ」やその他の店舗などに出荷する生産者さん。ならびに販売に携わる職員の方々とご一緒に学びました。

いわば、直売所に野菜や果物など農産物を出荷する際に、ちょっとした工夫をすることで、今より販売量は増えますよ。出荷商品の売れ残りは減りますよ。今より2割、3割高い価格をつけても売れていきますよ。

その方法を事例を交えながら、具体的に学んでいきました。

福井県農業経営支援部さま主催の生産者向け手書きPOPセミナー
福井県農業経営支援部さま主催:生産者向け手書きPOPセミナー
(JA十和田おいらせさんのセミナーではありません…苦笑)

ある直売所の悩み

以前、ある地方の自治体が直売所を運営される方々を対象に、研修を開催してくださったときのこと。講師として参加させていただいたのですが、研修後、参加者である直売所運営者のお一人から、ご相談を受けました。

「生産者さんに商品価格を値上げしてもらうようにお願いしているんです。でも、みなさん価格を上げてくれません。どうしたら、価格を上げてもらえるでしょうか?」

こちらのお店では、多くの直売所の仕組みと同じく、「今日のピーマンは、120円にしよう」「ピーマンを出荷している人が多いから、100円くらいにしないと売れないな」商品を出荷する生産者さんが価格をつけるやり方でした。

しかし運営者の方いわく、「みなさん、価格が安すぎる」と。

一般的に言って、価格が高いか?安いか?は時期によっても、お店がある場所によっても変わってくると思うので、一概にわかりません。ただ、商品価格が安すぎることによって、いくつかの弊害が起きていたのも事実です。

特に運営者さんが危惧されていたのが、「低価格での販売を嫌がる生産者さんが、軒並み商品を出荷しなくなっている。結果、お店の出荷者が減り、品揃えが減少。このままだと…」とのことでした。

誰も喜べない状況

冒頭でご紹介した、青森県のJA十和田おいらせさんのセミナーでも、この話を共有しました。参加者さんの中には、産直店へ出荷される生産者さんが多くいらっしゃったからです。

いわば、商品の価格を安くすることによる影響。その弊害はあるのか?セミナーに参加していただいた方々に考えていただきました。

Q:直売所に出荷する商品の価格が安くなりすぎると、生産者にとって、弊害はあるのか?もしあるとすれば、どんなことか?また、お店にとって弊害があるとすれば??お客さまにとっては…?

もしよかったら、あなたも一度アイデアを出されてみると、新たな発見になるかもしれません。商品価格が安くなりすぎることで、生産者だけでなく、お店やお客さまにとって、どんな弊害があるのか?

安売り合戦になるんじゃないか?

値段が安すぎると、商品の品質を疑われるのでは?

仮に買った商品が傷んでいたとき、(だから安かったんだと)クレームを言いにくいんじゃないか?

この他にも、さまざまなアイデアを出していただきました。

産直店の商品が低価格すぎる弊害とは?

私自身、産直店で働いていたときの経験から感じるのは、生産者さんは他の生産者さんの価格を気にされていることです。

例えば、ピーマンを出荷するとしたら、「他の生産者さんはいくらの価格をつけているのか?」他の方の価格を参考にしながら、ご自身の価格を付けられている。少なからずも意識されているように感じていました。

まぁ、当然といえば当然の話です。農産物をあつかう産直店だけでなく、一般的な小売店でも同様。「A店は…円で売っていた。B 店は…円だった」。近所のライバル店の価格調査はしますよね。そして、他店の価格の下をくぐる(安くする)のか?様々な作戦を立てられているのではないでしょうか。

ちなみに前述の直売所運営者さんのご相談でいえば、「出荷者さんの価格が安すぎる。その影響で、低価格を嫌う生産者さんが出荷をしなくなり、商品不足が起きている」というお話の場合…。

要は、お店で安売り合戦が起きることで、正当な価格で商品が売りにくい。売り場に低価格の商品が並ぶことで、そこそこの価格で出荷したつもりなのに、周囲との兼ね合いで高い印象を受け、売れ残る…。

結果的に、「もう、このお店に出すのはやめよう」「このお店では稼げない」「他の直売所(道の駅)に出した方がいいな」と感じた生産者さん(特に若手のかた)がお店に出荷をしなくなっていった。どうも、そんな状況が起きていたらしいのです。

2割、3割高くても選ばれる

直売所に野菜が集まらなくなれば、当然ながら、お店にとってはダメージです。

販売する商品がなければ、お客さまは来てくれません。売上も立ちません。お店にとって、甚大なダメージです。

さらに、お店に商品が集まらない。
品揃えが少ない。

となれば、お客さまにとってもマイナスです。商品を選べない。選択肢が少なくなる。選ぶ楽しみがなくなる。お店の運営そのものが怪しくなれば、買い物すらできなくなってしまう。飛躍した話かもしれませんが、大いに起きうることじゃないでしょうか。

一方で、あなたが今、直売所や道の駅、産直店に出荷されているとして。商品につけられている価格の2〜3割高くしても、購入していただける。仮に100円で値段をつけている商品があれば、120円、130円にしてもお客さまに選んでいただける。やり方次第で、十分可能だと考えています。

ちょっとした工夫をすることで、2割3割どころか。5割増し。2倍の価格でも購入いただくことはできる。

実際、私が働いていた大阪の産直店では、他の生産者より価格が1.5倍、2倍高くても選ばれていた。お客さまの支持をガンガン集めていた生産者さんは、数多くいらっしゃいました。そして、その方々の商品を見ていると…、その方々がやられている『こと』を観察していると…、ある共通点がありました。

高くても売れる生産者の共通点

価格が高くても選ばれる。価格が高くても、購入していただける。ファンがたくさんいらっしゃる。そのような生産者さんがたくさんいらっしゃった。そして、共通してやられている『ある工夫』があったのです。

青森県のJA十和田おいらせさんのセミナーでは、その工夫を共有しながらご一緒に学びました。

実は、セミナーでご一緒に学んだ内容をこちらで共有するつもりで書き出したのですが、話を進めるうちに随分と脱線したというか、違う方向へ進んでしまいました。。(苦笑)

また機会をあらためて、JA十和田おいらせさんで生産者さんやお店の方と学んだ内容は、ご紹介したいと思います。

まずは今日お伝えしたかったこと。
「安売り」による弊害。商品を出荷する生産者さんだけでなく、お店、お客さまにも好ましくない影響がある。生産者離れ、お客さま離れが起きかねない。そんな話を共有いたしました。

またの次の機会を楽しみにしていただけると幸いです。

社員2名の小さなお店の大逆転

社員2名、売場面積30坪。周囲は全国規模の競合がズラリ。ずぶの素人が、小さなお店で販促費ゼロで起こした奇跡とは…?その秘密をこちらで公開しています

ABOUT US
臼井 浩二POPコミュニケーション合同会社 代表
社員2名、売場面積30坪の小さなお店で年商1億3千万円を達成。パートを募集すれば「娘を働かせたい」とお客が順番待ち。一風変わったお店での経験をもとに現在はPOP広告を活用し、モチベーションと数字を高める現場マネージャーとして販促・人材育成の支援。サポート実績は200社以上、上場企業でのセミナーや社員研修など累計受講者数は3千名を超える。近著「選ばれるお店」。信念は「売れる体験を通して、仕事にさらなる情熱と愛着を」 。