ここは、山口県のとある定食店。
そこにいた僕たち3人の視線は、壁に貼られた1枚の紙に釘付けになっていました。
「すっぽん7,500円 要予約」
壁に貼られた1枚のメニュー
昨日仕事でうかがっていた、山口県の定食店での話です。
ある企業さんの手書きPOP研修が終了。
午後に備えて、お昼ご飯をしていたときのこと。
「ここは、天丼が有名みたいですよ」
企業の担当課長さんの言葉もあって、そこにいた3人(僕と担当者さんお二人)は全員天丼を頼むことに。
お料理が来る間のちょっとした時間。
「いやぁ、よかったですよ。研修。
営業をご経験されているだけあって、最後は営業の根幹につながるお話になりましたね。
手書きPOPも大切なところは、営業と同じなのですね」。
僕たちは、午前中の研修の振り返りをしながら、さっき注文をした天丼を待っていました。
(ちなみに僕たち3人が座っていたのは、畳の座敷)
すると、正面に座られていた課長さんが視線を右斜め上に向けながら、話されたんです。
「おぉー、スッポン食べれるんだ。
そういえば、さっきもスッポンがいましたよ。黄色のたらいに入れられていましたよ。
やっぱりお高いですね。」
「…んっ?なんだろう?」
と思って、僕もそっち(僕の左にあった壁のほう)を見てみたんです。
すると、そこには1枚の紙が。
すっぽんあります。ご要望に応じてお料理いたします。3日前に予約必要。7,500円
と、手書きで書かれた張り紙が。
「おおぉー。スッポン食べられるんですね。
この辺りは、結構いるんですかね」
なんて言いながら、僕も、
「何か他に貼っていないかな?」
と思って周りの壁をグルッと見回しました。
すると、僕の正面。ちょうど、お店のカウンター席の上の壁です。
そこにも1枚の30㎝四方の紙が貼られているのを発見。
「下関 ふぐ料理」
と書かれた、広告のような紙が見えたんです。
「あっ、そういえば、山口県っていえば、ふぐなんですよね?」
思いだしたかのように、前に座られていた課長さんに話しかけました。
「そうですよ。山口はふぐですよ。食べられますよ。
その辺りのスーパーでも、普通にふぐが売られていますしね。結構ならんでいます。
…でもね、そんなにしょっちゅう食べないですよー。お客さまが来られたときに、接待でご一緒させてもらうとか位です。
家でじゃんじゃん、っていうことはないです(笑)」と。
あー、なるほど。高知の鰹と同じだ、って僕も。
高知県のイメージって、どんなのですか?
…もしかしたら、このようなイメージって持たれていませんか?
【高知県】=【鰹のたたき】
僕も高知へ住み出して10年になります。
っが、そんなにしょっちゅう鰹のタタキは食べていません。
「週に1回、夜ご飯に鰹のタタキが出てくるか?」
「家で、お父さんが鰹をわらで焼いてるか?
っていうと、そんな事ないですね。
お父さんやお母さん、家で鰹は焼いてません(笑)
飲み会とかへ行って、そこで注文して食べる。
たまーに、食べたくなって久しぶりにスーパーで買ってみる、みたいな感じです。
【●●】といえば、【■■■!】
結構僕たちって、事前に先入観(イメージ)を抱いている場合って多いです。
先ほどの、【山口】=【ふぐ】、【高知】=【鰹のたたき】
みたいな感じでね。
…実は、これと同じことを販促物でもやっていたりします。
本で見たりなのか?
過去に誰かから聞いたことなのか?
それとも、なぜか頭に入ってるイメージなのか?
僕たちみんな、それぞれにイメージや先入観って持って販促活動に取り組みがちです。
- …文章は長いと読まれない?
- …イラストがあったほうが読まれる?
- …成果出ていないのは、目に留まっていないから?
- …色づかいが大事?
- …インパクトのある言葉がないとダメ?
これらも、ある販促物に関する先入的なイメージです。
今これを読んでくださっているあなたなら、もうお分かりじゃないでしょうか?
…そう、手書きPOPに興味を持たれている方が抱く、先入観の一部です。
どこかで聞かれたのか、、、?
読まれたのか、、?
教えてもらったこと、、、なのかもしれません。
ただ実際のところから言えば、先入観をくつがえす。
手書きPOPを始めるときに抱かれているイメージ。
そことは違うケース(事例)って、結構多く生まれています。
例えば、その1つとして、「手書きPOPの文章が長くても、成果を上げている」そんなお店も多いです。
あるパン屋さんでは、手書きPOPを活用して主力商品の売上を143%達成しました。
そこで使われているPOPのメッセージ、かなり長いです。
「こんなに長く書いて、お客さん読むの?」
って思っちゃうのでは?っていうくらい長い文章です。
(実際のそのパン屋さんの店主さんも最初はピン!とこなかった)
だけど、堅調に成果を上げられています。
…文章の長い手書きPOPで、です。
僕たちの成果を妨げているもの。
実は、その1つに、「先入観」というのがあるかもしれません。
●●といえば、■■■!
事前に考えているイメージが邪魔をして、成果につながっていない。
そんなケースが意外とあるのかもしれません。
さて、最後に1つ質問です。
「あなたが手書きPOPに対して、抱かれているイメージってどんなものですか?」
一度、書き出してみましょう。
もしかすると、その手書きPOPに対するイメージが、成果へつづく道の「壁」になっていないでしょうか?