高知県のあるホテルにて。
夜、ミネラルウォーターを買おうとロビーへいったときのこと。
「どっちやったら勝てそうやねん!」
1人のおじさんが、叫んでました。
…結構な剣幕、けっこうな表情です。。
そこは、朝食をしたりするちょっとしたカフェスペース。
夜だったので、人は少なく。
いたのは、そのオジサンのグループ4人だけ。
さっき叫んだオジサンと、もう一人その隣にいるおばさん。
後は、2人の学生っぽい男の子と女の子。
ちょうどテーブル越しに向かい合って座ってます。
僕は、その男の子の後ろを通り過ぎながら、奥にあった自販機コーナーへ。
どうも見る感じ、
何かスポーツの遠征チームかなんか。
「どっちやったら勝てそうやねん」
と叫んだオジサンが監督。
あと、もう一人の隣のおばさんはコーチかな?
残り若い2人は、選手。
そんな感じです。
そして監督役のオジサンは、若い選手2人に熱弁をふるっています。
けっこう力が入ってる感じ。
一方対照的に、若い選手2人は意外にも冷めている感じで。。
1人の男の子なんか、スマホいじってるし。
(後ろ通り過ぎるとき見えたけど、フェイスブックしてたもんね)
「どんな関係なんやろう?
こんなスマホいじっても怒られへんねやろぅか?」
僕はそんな要らん心配をしながら、そのロビーを立ち去っていきました。
っが、遠くから僕がエレベーターを待っている間にも、監督のその声はまだ聞こえてきてました。
「どないすんねん!どっちやったら勝てんねん!、、、」
おすすめの仕方、、、
メガホンを持って叫ばない。
これは、販促物の世界でよく言われる教訓の1つです。
例えば、あなたがどこかの展示会へ行ったときに、お店の方に、
「その商品がいかに素晴らしいか?」
「いかにオススメか?」
熱く力説されると、あなた(お客さま)はちょっと引いてしまう。
逆に、
「この商品、僕好きなんですよね… 」
まるで、ひそひそ話をするかのようにボソッと言われると、かえって興味が湧いてくる。
そんなことを婉曲的に伝えています。
実際、僕自身も大阪の産直店で働いている時に、同じような体験をよくしました。
僕がレジに立っていた時の話。
お客さまが持って来たカゴから商品を取り出す。
ひとつ一つの商品をピッ、ピッしながら、バーコードを打つ。
その時、お客さまが購入された商品を見ながら、ある探りを入れるんです。
仮に、カゴの中に無農薬の野菜やオーガニック系の調味料が多く入っていたならば、
「この方は、安心安全系。オーガニック志向の人だ」
商品の特徴や共通点からお客さまの志向を見つけます。
そして、その方に合う商品をお勧めするんです。
「こだわった良い商品を買われていらっしゃいますね。
オーガニック、安心安全な商品だと、●●●(商品名)も今うちで人気ですよ。
また次回来店された際には、ご覧になられてみてくださいね」
なんて一言を。
…すると、そのお客さんはどんな反応されると思います?
「それ、どちら(の売場)に置かれているんですか?」
僕に訊いてきます。
売場へ取りに行かれます。
そう、次回の来店時じゃなくって、その日のうちに買って帰られるんです。
しかも!
話はそれだけで終わらない。
その効果は、後ろのお客さまへ波及します。
レジの列で待っていた後ろのお客さま、僕とお客さまの話を聞くやいなや、
「わたしもっ!」
って、話題になった商品を取りに行かれるんです。
走って、、、ね。
これね、僕、何度もやりましたけど。
かなりの確率で同じことが起こります。
7~8割のお客さまが、売場まで商品を取りに行かれます。
それくらい、ハマった方法です。
…おそらくなんだけど。
僕がレジでお客さまに、
「この商品、超オススメなんですよ!ぜひ買ってください!」
熱く力説していたならば、、、
追加商品のお勧めを強くしていたならば、、、どうだったのでしょう?
レジ待ちをしていたお客さままで、その効果は波及したのでしょうか?
熱く想いを語るのも大事。
アナタの気持ちを熱く語ることで、お客さまの心を動かすこともある。
…けれど、たまには、
「アナタだけに、こそっと話しますね」
ひそひそ話でお勧めしてみる。
どうでしょうか?