臼井浩二をもっと知る

手書きPOP講師 臼井浩二

何をやっても続かなかった20代

どんな仕事に就いても、
「これは自分のやりたい事じゃない」と、転職すること5回。

“自分が探し求める夢は日本にはない“と会社を辞めて海外に在住したことも、、、。

挙句の果てに、新婚旅行前日に辞表を提出。
険悪な雰囲気のままハネムーンへ。
それ以来いろいろ理由をつけてきたけれど、要するに、何をやっても堪え性がなかった。

あらためて考えてみると、そんな僕が唯一、継続できたのが小売の仕事。
学生時代のアルバイトも含め、小売業従事歴15年以上。

お客さまとコミュニケーションをとることが天職だと気づいてから、

人生の歯車が大きく好転し始めました

大学を卒業後、商人(あきんど)の教えを学ぼうと、単身飛び込んだ呉服業界。
しかし、当時働いていた本場京都の老舗の呉服店にも、不況の波が押し寄せてきました。

倒産の危険を感じ、退職したのが今から24才のとき。

その後、”自分探し”をしようと決意し、ニュージーランドへ1年在住。
「帰国後、語学を使って仕事をしたい!」
と意気込んで希望した職場へ入るも、、、
求められる能力についていけずメーニエル病になるなど、ストレスに悩み退職することに。 

ニュージーランドで働いていたリンゴ農園で|手書きPOP講師

歩合制で働いていたニュージーランドのリンゴ農園で

このままではいけない

「何かを変えなければ、状況は変わらない」
と感じつつも、就職活動を続けました。
本当にやりたいこと、仕事に求める価値観について毎日悩み、考え続けました。

ときには無職ということに引け目を感じ、人に会うことへの恐怖感が募り、自宅から出られなかった事もありました。

ようやく、半年間の就職活動の末、社会人になって初めて販売の仕事に就きました。
ただ、「何かをしなければ」という思いだけで、給料や休みなどの条件面は一切考えずの行動でした。 

ようやく見つけた自分の居場所

結果、幸運だったのか、販売という職種は、僕にピッタリの仕事でした。
自分の天職だったのかもしれません。

  • お客さんと楽しい会話をする日々
  • 閉店時間が全く気にならない毎日 

その私の働く喜びが、お客さまにも伝わったのかもしれません。

売場面積30坪、正社員2人の小さなお店にたくさんのお客さまが買い物に来てくれてました。
遠方から1時間以上かけて来てくれるお客さまも。

当時働いていた大阪の産直店

当時働いていた大阪の産直店

…おまけに、私生活にも幸せが舞い込んできました。

当時、付き合っていた彼女との結婚も決定。
幸せなことが、とんとん拍子に起こりました。
公私ともに、誰もがうらやむ新婚生活!

人生いよいよ、絶頂期!!

幸せ渦中のふたりは、そう信じて疑いませんでした。 

誰もがうらやむ幸せをつかんだはずが、、、

結婚を機に新たな土地へ移ることになりました。
自分の天職に気づかせてくれた、お店や仲間と別れを惜しみながらの退職でした。

”新たな門出!”
”新たな土地での仕事!” 
まもなく彼女との結婚式、新婚旅行、新たな家族での生活。

楽しい事づくめ、のはずでした、、、。

しかし現実は、プライベートの充実とは正反対に仕事で悩みを抱える毎日。
…販売と営業の仕事のギャップの戸惑い。
…新しい土地での人間関係にも馴染めない。
…自己卑下の毎日。

なんと、新婚旅行前日に会社へ辞表を提出してしまいます。 

一生、忘れられません

今でも憶えています。
今まで見たことのなかった、妻の怒るわけでもないあの悲しそう表情。

何もかもが、ゼロからのスタートでした。

二度と、妻にあんな思いはさせたくない!

人生を見つめ直そうと、必死になって書籍も読みあさりました。 
自分の好きだったこと、得意なことは、いったい何なのか?
恥ずかしながら、30代になってもう一度自分の人生を洗い直しました。

そして、到達した答えが、 

小売店で過ごした20代の記憶

「こんなに一生懸命作られている生産者さんがいるんですよ」

当時、産直ショップで働いていた頃、
一生懸命、野菜を作られている生産者さんのことを、1人でも多くのお客さまに知って欲しくて仕方がなかったです。

・量よりも質にこだわり、ご夫婦お二人でトマトを作られる生産者さん 

・ご自身が育てたイチゴを食べて、息子さんがおう吐したのをきっかけに必要最低限の薬しか使わなくなったイチゴ生産者さん一家

            ・
            ・
            ・

生産者さんは皆さん、想いを持たれていました。
何とか、その想いをお客さまに伝えたかったです。 

野菜が詰まっていた段ボールの端を切っては、生産者さんの思いを書いて売場に貼っていました。

「この野菜を作られている方は、一体どんな方なのか?」

生産者さんが送られてきた人生や生きざま、農業に対して抱かれている思いを必死で書きました。
次第に、生産者さんの思いはお客さまにも伝わっていきました。

このお店に来るのが楽しいのよね

このお店に行くと、何か面白いことがありそうだから

今度、友達を連れてくるわね!

こんな風に言ってもらえるまでになりました。 

当時のお店の売場~可能な限りすべての野菜にPOPをつけていた|手書きPOP講師

当時のお店の売場~可能な限りすべての野菜にPOPをつけていた

人間っていうのは、”人”の話に共感しやすい生き物

何かを販売するうえで、商品特性やメリットを伝える。
「商品の価値」を伝えるという点ですごく大事なことだと思います。

ただ一方で、僕は思うんです。

商品そのものを知ってもらうことも大事。
だけど、お客さまはもっと違う部分に、より興味を示します。

例えば、その1つが「生産者さんの人柄」です。

僕が働いていた産直店には、100人以上の生産者さんが野菜を送ってくださっていました。
当然、生産者さん全員が違う野菜をつくられるわけじゃない。
きゅうり、なす、、ほうれん草、、、売場には同じような野菜が並びます。

しかし、価格はバラバラです。

5本入り100円で売っているなすもあれば、同じく5本入りなのに250円のモノもある。
なす売場に並べて売っていれば、当然お客さまは100円のなすばかりを買って行かれます。

「一体どうすれば、250円のなすを売ることができるんだろう?」

僕にとっては、大きな大きな問題となりました。
日々、試行錯誤を繰り返しました。

「たとえ値段が高くても、買ってもらえるやり方はないのか?」

いろんな方法を試した結果、僕のなかで1つの手応えが。
これをやると売れる、というある方法が。

それが、今の仕事の原点にもなっている「人」を伝える手法でした。
商品の特徴だけでなく、野菜をつくられている生産者さんのことをお客さまに伝える。
その野菜について、販売者の自分はどう思っているのか?

手書きPOPやレジで配るお便り(ニュースレター)に書いて、いっぱい伝えました。
すると、確かな手応えを感じました。

たとえ価格が高くても売れる。
その確信につながりました。 

今でも忘れません、、、

産直店にいた当時、野菜を卸していた先のレストランのシェフから言われた言葉。

臼井くんは、野菜の話をしないよね。

ほとんど、人の話ばかりだよね。

まぁ、それでいいんだけどね…。

当時の僕は、このシェフが何のことを言っているのか?
理解できませんでした。

…だけど、今なら分かります。 

人に興味、関心を抱くのは僕だけじゃない。
それは、お客さんにとっても同じこと。

“人”が関わらない、モノやサービスは存在しません。
必ずと言っていいほど、商品には誰かしら人が関わっています。

その人の思いに触れることによって、人は心が動くのではないでしょうか。

退職するときに、産直店の仲間から贈ってもらった写真|手書きPOP講師

退職するときに、産直店の仲間から贈ってもらった思い出の写真