「商品」での違いは伝えにくいけれど、
その商品をあつかう「人」の違いは出しやすい。
これは僕が提唱する【POPコミュニケーション】理論の1つです。
例えば、手書きPOPを書くにしても、商品の違いを伝えようとする。
これって、結構難しかったりします。
競合商品との違いを伝えようとしても、訴求ポイントって、結局は似てきます。
よっぽど独自性のある商品を扱ってない限り、どこかで見たようなメッセージになりがちです。
なので、商品の違いを伝えつつも、その商品を扱っている【人】の部分で違いを出す。
差異化を図る。
これがPOPコミュニケーションが提唱するおすすめ方法です。
具体的にみていきましょう
もしも、あなたがパン屋さんだとしたら、、、
例えば、あなたがパン屋さんだとしてですよ。
クリームパンがお店で人気だとします。
「もっと今以上に数を売っていきたい」
そう思われているとしますよね。
そこで、
「よしっ、手書きPOPを学んで売ってやる!」
となった。
じゃあ、手書きPOPにどんなことを書こうか?
思案することに、、、。
仮に、あなたがこのパン屋さんの店主さんで、
「クリームパンを売っていきたい」
そう考えているとしたら、どんなことをPOPに書かれますか?
1.「商品内容」で違いを出す方法
書く内容として、まずイメージできるところとして、、、
原材料のこだわり、違いを伝える方法でしょうか。
- バターを豊富につかっている
- バターの品質のよさ
- 国産小麦・・・・など
あと次に、POPで伝えたい内容として、、、
クリームの食感とか味の違いなどを伝えていく感じでしょうか。
- 口に入れた途端、とろけるトロトロ感
- 何とも言えない甘み、、、など
今書きながら考えているので、パッと思いつきませんが、クリームの美味しさを訴求するメッセージは他にもあるでしょう。
…っと、ざっと言えば、これが、
「いかに、うちのクリームパンは美味しいか?」
商品にフォーカスを当てた伝え方です。
冒頭でお伝えした「商品」で違いを出す方法になります。
2.あつかう「人」で違いを出す方法
一方、「人」で違いを出すやり方というのは、どういうモノか?
例えば、クリームパンを売っている【あなた】を伝える方法です。
あなたは一体、
- どんな想いで、このクリームパンを毎日つくっているのか?
- どんな人に食べてもらいたいか?
- クリームパンをつくる上で、苦労すること
- クリームパンに関して、お客さまに何か言われたこと
- 嬉しかったこと
- どんなクリームパンが好きなのか?
- どうして、クリームパンを作ろうと思ったのか?
- 作る上で、あなたの最大のこだわりはどこ?
- クリームパンの思い出とかないか?…など
【クリームパン(商品)】だけでなく、そこに【あなた】を絡めた情報を伝える。
すごく簡潔にいえば、あなたは、その商品のことをどう思っているのか・
を伝えるやり方です。
そして、手書きPOPを書くときには、この【人】で違いを出す方法をお薦めしています。
…なぜなら、
他店、他社と比べられにくいから
今さきほど挙げたような、あなたとクリームパンに関する話・ネタ。
これっていうのは、他店には創りだせない情報です。
他店では伝えられないネタ、メッセージです。
というのも、例えば、「クリームパンの思い出」なんて、人(店主さん)によってそれぞれ違うでしょう?
「クリームパンをどんな人に食べて欲しいか?」
という想いも、また人によって違うと思います。
要は、あなたが思っていること。
内面(感情)の情報っていうのは、ユニークになりやすいっていうことです。
他店、他社と比べられにくい。
すごく極端にいうと、「美味しいクリームパン」っていうのは、もしかしたら世の中にいっぱいあるかもしれない。
だけど、「井本剛さんのつくるクリームパン」は、世界に1つしかない。
その井本剛さんのクリームパンっていうのは、どんなものなのか?
を伝える。
そこに、共感してもらうイメージです。
もちろん、クリームパンの特徴で他店との違いを出す、
【商品】を前面に押し出して訴求する。
これも1つの方法です。
ただ、そこはかなりハードルが高いのも事実。
現代のように、モノ余り。
お客さまが選びきれない程の素晴らしい商品が溢れている。
いわゆる成熟市場では、今回お話ししたように、「商品」と「あなた」の関連した話をメッセージにして伝えていった方が響きやすくなってきます。