そのメッセージでは伝わらない

先日、東京の中野サンプラザで手書きPOPセミナーを開催しました。
その際に受講者のお一人から、このようなご相談を頂きました。

どうしても商品特徴を全面的に伝えるPOPになっています。
主人が商品をつくっている事もあり、そのこだわりを中心に伝えたいようです。
どうすれば、人を感じさせるPOPが書けるでしょうか?

ご相談下さったのは、洋菓子店の方です。
ご家族でお店を経営されていて、奥さまがご相談下さいました。

話の背景として、

「商品主体じゃなく、人の存在を感じさせるPOPを書いた方が良い」
「その方が商品は売れる」

とセミナーを通じて学ばれました。

ただ、旦那さまが商品をつくられている。
作り手の方からすると、その『こだわり』を前面に押したくなる。
商品特徴が主体になったメッセージになる。
その場合、どうしたら良いのでしょうか?

というご相談でした。

キーワードは、人の存在感

既にPOPを書かれているのであれば、ご自身のPOPをちょっとご覧頂けますか?
POPに書かれているメッセージ、
それは、

「商品主体のメッセージですか?」

それとも、

「商品と一緒に、人の存在感も伝わるメッセージですか?」

どちらでしょう?

ずばり売れるメッセージに欠かせないこと。
それは、

『人の存在感』

です。

メッセージから人の存在感を感じられる。
商品の特徴だけでなく、人の話も一緒に登場する、
そういったメッセージがお客さまに好まれる。

読まれて、
共感してもらえて、
あなたの商品やお店に興味を持ってもらえる、
メッセージになるのです。

あなたの好きだった先生は?

小学生の頃を思い出してもらえますか。
あなたが好きだった先生、
何人か思い出してもらえますか。

その好きな先生に共通するポイントって、どんな事があったでしょう?

例えば、こんな事ってなかったでしょうか?

先生にも2人のタイプがいて。
1人は、淡々と授業を進めていく先生。
教科書通り、その内容にのっとって進めていく先生。

一方で、もう1人の先生は、やたらと余談を挟んでくれる先生。
先生の趣味の話だったり、その時流行っているテレビ番組と絡めて教えてくれる。
授業内容から脱線しつつも、うまく連動させて教えてくれる。

そんな2人の先生です。

ちなみに私が好きだった先生は、後者。
脱線話をよくしてくれる先生です。
話が横に逸れつつも、授業内容と連動してくれる。

言ってみれば、その先生ならではの話が聞ける。
その先生ならではの授業を受けられる。
それが楽しみだったし、その先生が好きな理由になっていました。

そのメッセージでは響かない

商品特徴を伝えるのが悪いこと、
という訳ではなく、商品の話と一緒に人の話も絡めるイメージです。

『商品』+『人』

よく言われるように、現代は情報過多の時代です。
どこのお店も会社も商品の事をPRしていますよね。
総務省の調べでは、

「世の中の情報流通量は10年前に比べて530倍に増加した」

とも言われています。
その数字は兎も角としても、身近な話でいえば、

ネットにしても、雑誌にしても新聞にしても、
「お店や商品の広告を見ない日はない」
というくらい広告媒体を目にしませんか?

毎日、何かしらの商品広告を目にしている。
耳にしている。
そんな状態だと思うんです。

そんな状況下、商品を買ってもらうためのPOPを書く。
メッセージを訴えかける。
何かしらの工夫が必要になってきます。
普通に商品の特徴を書くだけだと、読まれないんですね。

右から左へスルー、

お客さまはメッセージに気付いても、心に留めてくれません。
ありきたりな商品広告では、読んでもらえないんです。
立ち止まってくれないんです。

骨折り捐の草臥れ儲け

「臼井さん、だったらお客さまの目を留めるために
インパクトのある言葉を書かないと!」

「何か目に留まる強烈なキャッチコピー教えてもらえませんか」

となるのですが、ちょっとストップです。

インパクトのある言葉、強烈なキャッチコピーも確かに重要です。
これだけ情報過多の時代、お客さまの目を留める1つの工夫になってきます。

ただ情報が一杯だから、お客さまの目に留まる言葉を考える。

「『美味しい』という言葉をもっとインパクトのある表現にできないか?」
「どんな言葉を使えば、より美味しさが伝わるんだろう?」

個人的には、ちょっと方向性が違うんじゃないか、
と思っています。

言葉探しには限界があります。

「美味しいをもっと違う表現にする?」
「『上品な甘さ』って伝えたら、響きやすい?」
「いや、それより『さっぱりとした甘さ』の方が美味しく聴こえる?」

いえいえ、違うと思います。
いくら言葉探しに気を配っても、そこは骨折り捐の草臥れ儲け。
苦労の割に求める効果は得られないと思っています。

もっと簡単な方法

もっとも簡単で、
お客さまに読んでもらえ、
共感してもらいやすい、メッセージをつくるコツ。

それが、

『商品』+『人』

メッセージのなかで、あなたらしさを伝えることです。

例えば、よくご紹介するベーカリーさんのPOP。
こちらのPOPを書いたことで、商品の月間販売量は700個から1,000個以上に伸びました。

パン屋さんの手書きPOP

あるベーカリーの手書きPOP

塩パン 

塩パンをいっつも買ってくれるお客さんがおって、
塩パン巡りをしゆと言いよったがやけど
ここの塩パンが1番おいしいって言ってくれて、
今ではここの塩パンを広めちゃおって1回に10個以上買って
他の人に配ってくれゆうんです。

それからは僕も気にかけてもらいゆうと思って嬉しくて
そのお客さんが来てくれた時、
その日の売れ数を報告するようになりました。

115円

ここに書かれているメッセージ、
商品の事もそうですが、どちからというと『人』でもないですか?

塩パン好きのお客さま。
そして、そのお客さまが来てくれると嬉しくなるオーナーさん。

従来パンのPOPであれば、原材料であったり、こだわりの製法を伝える、
これが主流です。
しかし、そうじゃなくって、お客さまとのやり取りを伝えた。
結果、他のお客さまにも共感してもらえた。
商品も売れた。

とにかく、人を伝えて下さい。

人の存在が感じられるメッセージを書いて下さい。
そのメッセージから、『あなたらしさ』が伝わってくる。
それこそ、最強の訴求です。

マニュアル通りの接客…?

話になりません。
あなたらしさが伝わるトークをお客さまは求めています。

『商品』+『人』

ぜひ意識して伝えてみて下さい。

売れるPOPの書き方ハンドブック

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ABOUT著者プロフィール

1974年、大阪府茨木市生まれ。年間500名を超える受講者への手書きPOPセミナー講師。正社員わずか2名、売場面積30坪の小さな産直店で、ほぼゼロの広告宣伝費のなか年商1億3千万円。アンテナショップ出店を検討する自治体からの視察が殺到。パート募集をすれば「娘を働かせたい」とお客が順番待ち。こんな一風変わったお店での経験が今の仕事の原点。小規模店の販促コンサルも行っている。